ここから本文です
充実生活見つけた
一輪草とホタルが息づくふるさとの森を再生<その1> ~不法廃棄の密林を里山によみがえらせた男たち~
2006/07/31

 都心から約25km,東京のベッドタウン埼玉県川口市に,市街地にはめずらしい一輪草の咲く森がある。かつては不法投棄のゴミの山だった密林を,自然豊かな森によみがえらせたのが,近隣に住む熟年世代の男性たち。彼らが地道な活動が,絶滅危惧種の花を復活させたのだ。

熟年世代の男たちが守る一輪草の森
一輪草群生

 一輪草という可憐な花をご存じだろうか。山麓の比較的標高の低い付近に,4月から5月にかけて咲く真っ白な野花で,住宅地では滅多に見ることがない。宅地開発が進む埼玉県では,埼玉県絶滅危惧種植物リストの準絶滅危惧種に分類される貴重な植物だ。

 この一輪草が,川口市安行(あんぎょう)地区の「ふるさとの森」に自生している。約1000m²に1万株という群生で,県内では自然の多い秩父地方以外には,ここ安行でしか見ることができない。県内最南端の一輪草の自生地なのだ。

 この一輪草を育て,守っているのが「安行みどりのまちづくり協議会」。毎月,メンバーが集まって,「ふるさとの森」と名付けた里山の整備をしている。場所は長さ500mほどの細長い斜面の雑木林。そこに遊歩道やビオトープが整備され,一輪草をはじめ貴重な野花が咲いている。

 取材に訪れたのは,月に一度実施している森の整備の日。小雨模様にもかかわらず,10名ほどが集まり,夏を前にした一輪草自生地の雑草取りに取りかかっていた。

ふるさとの森看板

 会のメンバーは60歳代を中心に50代から70代の男性ばかり。「近隣に住むシニア世代がほとんどで,今はメンバーが60名ほど。平成7年に,この森で一輪草を偶然発見したことが,会の発足のきっかけとなりました」と事務局の加藤久和さん(68歳)はいう。

 この一輪草自生地,昔からずっと今のような環境にあったのではない。今でこそ,大木が生い茂り,遊歩道が整備され,一輪草のほか,200種類もの花が育ち,50種類ほどの鳥類がやってくる里山だが,「10年前には不法投棄のゴミの山。森ではなくて,足も踏み入れられないほどの密林だったんです」と会長の小林進さん(64歳)は苦笑する。

1ページ 2ページへ 3ページへ 次のページへ
この記事のバックナンバーを読む
「セカンドステージ マガジン」 配信開始
セカンドステージでは,HTMLメール「セカンドステージ マガジン」の配信を始めました。毎週1回水曜日に配信いたします。
サイト上の更新情報やイベント,セミナーの情報をお送りするとともにメールならではの特典,イベントの提供をいたしていく予定です。
メール配信をご希望の方はこちらのページからで配信登録をお願いします。

→バックナンバーはこちら

セカンドステージ メールマガジン
サイトマップを見る
セカンドステージ連載一覧


日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る