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充実生活見つけた
エレキサウンドに若き日の情熱を呼び戻す<その1> ~おじさんバンドの発信源「赤坂エルカミーノ」に集う仲間たち~
2006/06/19

 団塊世代のサラリーマンが集まって,夜な夜な,ベンチャーズ,GS(グループサウンズ),ビートルズなどを演奏して楽しんでいるライブハウスが東京・赤坂にある。その名は「赤坂エルカミーノ」。プロの出演はほとんどない。演奏するのは来店客。客同士が演奏でコミュニケーションを図る参加型ライブハウスだ。

 会社帰りに,食事を済ませ,一杯飲んで,エレキギターを手にする。ひととき青春時代に帰り,演奏を通じて新しい仲間もできる。“エレキおやじの隠れ家”「赤坂エルカミーノ」は,第二の人生へ向けての情熱をかきたてる場でもあるようだ。

生き生きとした演奏に「オレたちもやらなきゃ!」
演奏前に腹ごしらえ

 赤坂,夜7時。とある蕎麦屋で,団塊の世代とおぼしき恰幅のいい男性が2人,静かに焼酎のグラスを傾けている。傍目には,商談後に流れてきた重役同士ふう。まさかこの2人が,このあと,背広を脱いでエレキギターをかき鳴らすとは誰も思うまい。


 堀勝美さん(58歳)と三島通文さん(58歳)は,5年前の夏,旧友に連れられて初めて「赤坂エルカミーノ」を訪れた。同じ世代のおじさんたちが,入れ替わり立ち代り舞台に立ち,ギターを奏で,ドラムを叩いて,生き生きとベンチャーズを演奏していた。それを見た二人は,即座に「これはオレたちもやらなきゃ!」と思ったという。

 こうして「The 40/50’s Band」が結成された。名前の由来は言わずもがな,メンバーに50代と40代のメンバーが2人ずついるからだ。もちろん,ベンチャーズのコピーバンドである。

 「なんといってもベンチャーズは,われわれの高校時代のヒーローですからね」と,ベース&リズムギターの堀さんは言う。「1965年の新宿厚生年金会館の来日ライブ。すべてはあそこから始まったわけです。2004年の結成45周年記念コンサートには,もちろん行きましたよ。そのDVDも買いました」。

 「The 40/50’s Band」のデビューライブは,2001年のクリスマス。場所はもちろん,赤坂エルカミーノだ。結成わずか2カ月だったため,持ち曲は4曲だけ。それを繰り返し演奏した。それでも,ノッテくれるのが,この仲間たちのいいところ。勢い,その後の練習にも熱が入る。

堀さん

 その成果が実り,翌年の夏に行った「銀座タクト」でのライブは満員盛況。そして,ついに記念すべき日がやってきた。世田谷・三宿のレストランで行なったクリスマス・ギグでは“神様”と特別共演してしまったのだ。神様とは,ベンチャーズのリード・ギタリスト,ノーキー・エドワーズ氏。「それはもう,メンバー一堂,涙,涙の一夜でした。ライブを収録した証拠のビデオは家宝です」(堀さん)。

 結成1年目にしてノーキー・エドワーズと共演するという,ベンチャーズのコピーバンドとしては頂点まで極めた「The 40/50’s Band」だったが,その後メンバーの海外駐在などもあって,休眠状態に入ってしまった。働き盛りの現役サラリーマン・バンドにはよくある話だ。堀さんは,「最近はギターとベースを時々虫干しのために出して磨くだけ」だったという。

 その堀さんが,この夜,3年ぶりに演奏することにしたのである。

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