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充実生活見つけた
料理教室で発見する新たな価値観<その2> ~料理は家族や社会との潤滑剤~
2006/05/15

 前回は,ベターホーム協会が主催する「男性だけの料理教室」の様子を紹介した。男も厨房に入るべしといった価値観の変化,家族とのふれあいの重視など,シニア層が直面するさまざまな課題に対し,料理は良き潤滑剤,解決の糸口となっている。

 今回は,人気の料理教室で,その受講者たちの生の声を聞いてみた。

ミスがあってもご愛嬌,それも楽しい
完成した料理

 取材した教室は,「お料理2年生コース」と呼ばれる洋食と中華の基本コース。総勢25名の生徒が7つの班に分かれて実習する。当日のメニューは海老のチリソース,棒々鶏(バンバンジー)サラダに加え,春雨ときくらげのスープの3品。

 講習は,まずは講師がポイントを解説しながら,キッチンで実際に作って見せることからはじまる。3品のできあがりを同時にするために,どのような順序でつくり始めるのか,その段取りも学んでいく。今回は,最初に棒々鶏用の鶏の胸肉を煮て,その出汁をスープに使う。海老は尾と剣先を切り,背腸を抜いて下ごしらえをするという手順だった。

 受講者の目は真剣で,レシピの書かれたカードにメモを取る姿は,さながら現役時代の講習会風景といったところか。下ごしらえ段階の講義が終わると,即,調理実践だ。洗い物ばかりしているとか,誰かひとりに作業を頼るといったこともなく,1本の胡瓜を3人で分けて薄切りにする。海老の下処理も,同じ本数に分けてそれぞれがさばいていく。

 譲り合い,助け合う。そんな社会生活の基本を,この場で取り戻しているようにも見える。時折り,ニンニクつぶし機で,生姜を絞ってしまったり,スープに入れる長ネギを海老のチリソースに使ってしまったりと,小さなミスはあるものの,それもご愛嬌。間違いを指摘されても,そうか,そうかと笑いの種になる程度である。

いよいよ盛り付け

 講師も各テーブルをまわりながら,「大丈夫ですよ」,「それでいいですよ」と声をかけながら,臨機応変に的確にアドバイスしていく。受講生もすぐに講師に聞くのではなく,まずは自分でやってみて,手順がおかしいと気づいたところではじめて質問するなど,自分の手で解決しようという姿勢だ。なかなかいい雰囲気である。さすがは2年生。

 「手際がいいですね」と声をかけると,お世辞でもだと思ったのだろうか「いやあ,これでもずいぶんうまくなったんだよ」と照れ笑いしつつ,うれしそうに答えてくれた。少年のように,はにかむ表情はとても若々しい。

 ちょうど昼の12時ころに出来上がる段取りなので,完成後は班ごとに会食となる。出来映えを尋ねると,「美味いよ」の一言に続き,「ここで習った料理はもう一度,家でもつくることにしているんだ。孫にも評判がいいんだよ」と,講習の成果がさっそく,家で受け入れられている様子を話してくれた。

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