ここから本文です
充実生活見つけた
ボランティアは楽しんでこそ長続きする<その1> ~“出前歌声喫茶”に行き着くまでの苦悩~
2006/02/20

 現役のうちから地域にとけこもうと,ボランティア活動を思い立っても,なかなか行動に移せない。手っ取り早く,「既存の組織にでも」と思っても意外と敷居は高い。メンバーの大半が女性であることが多く,すんなり入っていくのはたやすくないからだ。また,うまくとけこめたとしても,退勤後の時間や貴重な休日を費やすことになるサラリーマンは,継続して活動しにくい。

 埼玉県川口市の中尾堯(たかし)さん(59歳)も,最初はそうだった。だが,さまざまな地域の活動にかかわるうち,自分たちも楽しく,相手にも喜んでもらえるという,ほぼ理想的なボランティア活動のありかたを発見した。人呼んで「川口酎年(ちゅうねん)合唱団」。お年寄りを対象にした“出前歌声喫茶”である。

地域のつながりの大切さを気づかせた阪神大震災

 中尾さんが初めて地域へ目を向けたのは48歳のとき。自宅マンションの管理組合の理事長を務めたことがきっかけだった。1995年,阪神淡路大震災の年である。

中尾堯さん

 「震災でお年寄りが助かったのは,あそこの家にはまだ誰々さんがいるはずだ,と即座にわかる地域の横のつながりがあったから。それを聞いて,地域のつながりの大切さを痛感しました。気がついてみると,管理組合の理事の人たちは知っているけれど,他の住人たちのことは全く知りません。これでは理事長としてまずいかな,と。もし何か災害や事故があったら,自分が救助の中心にならなきゃいけない。その時に,”知りません” では話にならない。それで顔を覚えることから始めました。会社人間から地域人間になるいちばん手っ取り早いスタート地点は,マンションの隣人たちだろうと思ったんです」。

 マンションの管理組合で肩慣らしをしてから,中尾さんは50歳で初めてボランティアを経験した。川口市は市民のボランティア活動支援に力を入れており,毎年1回「ボランティア見本市」が開催される。さまざまなボランティア団体が出店を出して参加を呼びかけるイベントだ。中尾さんはそこへ出かけていった。

 「いろいろ見て回ったんですが,退勤後や休日にできる活動となると,なかなかできるものがないんですね。ひとつ,ウィークデーに3~4日活動する朗読会というのがあった。図書館へ行って目の不自由な方のための朗読テープをつくるんです。広告代理店勤務なので,ウィークデーが休みの日もあるので,これくらいならできるかな,と思って参加することにしました」。

1ページ 2ページへ 3ページへ 次のページへ
この記事のバックナンバーを読む
「セカンドステージ マガジン」 配信開始
セカンドステージでは,HTMLメール「セカンドステージ マガジン」の配信を始めました。毎週1回水曜日に配信いたします。
サイト上の更新情報やイベント,セミナーの情報をお送りするとともにメールならではの特典,イベントの提供をいたしていく予定です。
メール配信をご希望の方はこちらのページからで配信登録をお願いします。

→バックナンバーはこちら

セカンドステージ メールマガジン
サイトマップを見る
セカンドステージ連載一覧


日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る