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50歳からの資産運用
趣味の鉄道旅行を実益につなげ旅行作家に<その2>
2005/11/07

 前回は,高校の英語教師の野田隆さん(53歳)が夏休みを利用してヨーロッパ鉄道旅行に出かけ,その取材成果を本にまとめて出版するまでを紹介した。1995年の『ドイツ=鉄道旅物語』,98年の『北欧=鉄道旅物語』(いずれも東京書籍)はともに好評。旅行作家として順調なスタートを切った。野田さんは,今後の人生も鉄道とともに歩みたいと思っている。

取材旅行は読者の視線をもつ妻と二人連れ
野田隆さん

 「その後,少しブランクの時期もあったのですが,鉄道の旅への興味は尽きません。また何か書けないかな,と思って,あちこちの新書の編集部に企画書を送りました。そしたら,平凡社さんが目にとめてくれたんです」。それが『ヨーロッパ鉄道旅行の魅力』(03年,平凡社新書)。これも3か月で増刷と,好調な売れ行きを示した。

 野田さんの著作は,鉄道ファンだけに向けられたマニアックな本でないのが特徴。ヨーロッパを鉄道で巡る旅にはロマンがあるが,初めての人には利用の仕方がよくわからない。野田さんの本は,その点をわかりやすく説明してくれる。もちろん鉄道に関する観察眼はさすがで,車窓からの景色の変化なども克明に描写されている。それが,多くの読者に受け容れられている理由だろう。一度に大量に売れるというよりも,長期にわたって長く売れ続ける本だ。

 「鉄道ファンはほとんど男性で,意外に日本の鉄道にしか興味がないんです。ところが,講演をやらせてもらうと,聴衆はむしろ女性の方が多い。女性は旅慣れている人が多いから,パックツアーに飽きた人たちがガイドブックとして利用してくれているんじゃないかと分析しています」。

 5年前から,その取材旅行にも変化が表われた。再婚したからだ。今,取材旅行はほとんどの場合,奥さんと二人連れ。ビデオにデジカメ,メモと取材の記録に忙しいから,一人では手荷物への注意が散漫になり,海外では盗難の憂き目にあう恐れが多い。奥さんがいることで,安心して取材ができる。

 むろん,変化はそれだけではない。「鉄ちゃん」(鉄道ファンのこと)ではない奥さんは,すべてのことを普通の観光客として見る。その視線やコメントが一般読者の代弁として執筆に大いに役に立つのだ。

 男の一人旅は,ついつい興味の赴くまま,駅から一歩も出ずに鉄道を乗り継ぐだけの旅になってしまいがち。「担当編集者が女性だったりすると,原稿を読んで『あ,ここは一人で行きましたね?』なんて鋭いツッコミが入ることがあります。駅から出ないで,サンドイッチかなんかで食事を済ましてるから。原稿でバレバレなんですよ(笑)」。

 奥さんと一緒の取材旅行では,ちゃんと観光地にも寄ることができる。旅の楽しみが増えた。

野田隆さん
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