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“絵と自転車”と出会い 仕事人間がたった4年で劇的変化<その1>

スケッチから自転車へ――繋がる楽しみ

 まず,サインペンで輪郭を整え,水彩絵の具で濃淡を活かしながら色をつけていく。少しかすれて震えたような黒い輪郭線が,柔らかな色合いの温かみのある絵に,いい塩梅の強さと個性が味付けされる――佐藤さんが描くのはそんな柔らかな印象の絵だ。

佐藤健人さん 「こんなふうに描けるようになったのは習い始めて2年くらいたってからです。最初は何でも見た通りに描こうとして,まるで建築の設計図のような硬い絵を描いていました。『佐藤さんの線は定規で引いたようだ』,『瓦を一枚一枚数えているんじゃないの?』などと言われましたから」。

 正確に描こうと思うと,肩に力が入って疲れてしまう。疲れながら描いた絵は,あまり面白くない。それに気がついた佐藤さんは力を抜き,ペンの端を持って,それ自体の重みに任せて動かしてみた。すると,味のある面白い線が描けるようになったのだという。

 2003年夏。もうひとつの大きな出会いが佐藤さんに訪れた。

 自転車,である。60歳過ぎから自転車を始めたというスケッチ仲間から,「世の中に自転車ほど面白いものはない,自転車はいいよ」と何度も聞かされるうちに,その気になったのだった。自転車との出会いは佐藤さんに「想像を超えた別世界を体験させてくれた」という。次回は,絵の世界をますます広げる自転車の魅力と,将来のビジョンをたっぷりお聞きしよう。


(浅原須美=フリーライター)

佐藤さんのホームページ
スケッチギャラリー オンロード/オフロード


筆者プロフィール

浅原須美(あさはら・すみ)
フリーライター。雑誌記事の取材執筆,本の執筆・構成を手がける。主な雑誌に『家庭画報』(世界文化社),『サライ』(小学館),『東京人』(都市出版)など。著書に『夫婦で行く花街 花柳界入門』(小学館),『お座敷遊び 浅草花街・芸者の粋をどう愉しむか』(光文社新書)。構成した書籍に『ユカリューシャ 奇蹟の復活を果したバレリーナ』(世界文化社)。

プロデューサ紹介

松本すみ子(まつもと・すみこ)
早稲田大学第一文学部東洋史学科卒業。
IT業界で20数年,広報,販促,マーケティングを担当。この間,職場での心のケアに関心が向き,産業カウンセラーの資格を取得。電話によるキャリア相談や心理相談などのボランティア活動を開始する。これがきっかけとなって,シニア世代の動向に注目。シニアライフアドバイザー資格を取得し,1999年にはIT系企業を退職。
2000年,シニアの動向研究とライフスタイル提案,コンサルティング,執筆などを主要な事業とする有限会社アリアを設立し,代表取締役に就任。
2001年8月より,リクルートのガイドサイトAll About Japanで「シニアライフ」のガイドを始める。
2002年9月,独自に,シニア世代の仲間づくり・活躍の場づくりの会「おとなのオピニオンコミュニティRyoma21」を創設。
Webサイト上での情報提供とサークル活動などを開始する。同会は,2004年3月,NPO法人おとなの暮らしと仕事研究所として認可された。
現在,日経BP社の情報サイトnikkeibp.jpにて「団塊消費動向研究所」を連載中。
著書に,「自分分析!つまらない毎日なら『好きな』ことで独立しよう」,「心理系の仕事を見つける本」などがある。
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