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充実生活見つけた
50歳以降の人生を,地域のボランティア活動にかける <その1>
2005/06/21


 「定年になったら,どうしよう」と悩む人がいれば,「早く退職して,好きな仕事をやってみたい」と思う人もいる。東京・世田谷区に住む結縁昭彦さん(65歳)は,子供のころ病弱だったことから,50歳を過ぎたら早期退職して,自分の納得できる人生を送りたいと思っていた人物だ。

 しかし,その現実はそう簡単ではなかった。その思いが実現するきっかけになったのは,好きだった機械いじり。現役時代に「おもちゃドクター」として活動を始めたことで,定年後の地域に根ざす“生きがい”が見つかったのだ。



手帳はスケジュールでいっぱい

 「家内からは,定年になってからの方が忙しくなったわねといわれます。土日にも何かしら用事が入っていて,しょっちゅう出かけていますから」。

 そういいながら結縁昭彦さんが開いてくれた手帳をのぞき込むと,2カ月以上も先までスケジュールがびっしり。それもそのはず。結縁さんは自宅マンションの自治会,おもちゃ診療所,NPO法人,高齢者ならびに介護問題相談所,IT講習会など,7つの分野で,ときにはドクター,あるときは理事,あるいはカウンセラーや講師などとして活躍しているからだ。

 結縁さんの7つの“仕事”は,すべて「おもちゃドクター」としての活動を始めたことから派生したもの。いったん交流が生まれると,「時間の許す限りでいいから,こういう仕事を手伝ってもらないだろうか」といった話が持ちかけられるようになった。その新しいことを始めると,さらに,また新しい人との交流が生まれる。縁が縁を結ぶ形で交流範囲はあっという間に広がり,職場では得られないさまざまな分野の経験者との交流が出来上がった。結果的に,月に数日しか休みがとれないほどに,ボランティアの世界での役割が増えていったのである。

 仕事とはいっても,そのほとんどはボランティア。区や町内会などのイベントとして特別に活動を求められたときには,交通費や弁当代程度は支給されるが,日常的な活動では交通費はもちろん,おもちゃの修理などで必要な部品を購入したとしても,すべて自前ということになる。

 「自分が好きでやっていることだから,ぜんぜん苦痛ではありません。ボランティアだから,やりたくなければ断ればいいし。幸い,家内も仕事を持っていて,年金と合わせれば最低限生活していくだけの収入もあります。生活を維持していくための仕事だと,そうはいかないでしょうね」。

 「定年になって仕事から離れてしまうと,それまでの付き合いが途絶えてしまいます。庭いじりなどでヒマをつぶそうと思っても,それほど広くもない庭では3カ月もたてばすることがなくなる。それじゃ仕事でもと思ってハローワークに行っても,これといった仕事はそうそう探せない。そんな状況に陥っている人が少なくないと聞きます。それを思えば,少しくらい忙しくても,楽しい人生を送れている今の自分に満足ですね」。


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