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著者に聞く
資産運用アドバイザーが提案する老後の資金計画<その1>~「こんなはずじゃなかった!」にならないために~
2009/05/13

 平均寿命は伸び、今や人生は80~90年の時代。60歳の定年後にはまだ20年、30年という長い時間が残されている。しかし、さあ、趣味に没頭しよう、ボランティアをやろうと、喜んでばかりはいられない。それができるのも健康と資金的裏付けがあってこそ。年金や保険などの信頼性が薄らぎつつある今、長命はリスクでもある。

 そんなハードルをどう飛び越し、ハッピーリタイヤメントを実現するか? 行動経済学の視点で考察する著者・野尻哲史氏のアドバイスに耳をかたむけてみよう。

客観的にみつけられる非合理的な行動を研究するのが行動経済学

―― まず、行動経済学とはどんな学問なのですか?

退職金は何もしないと消えていく──60歳から「経済的自由」を手にする投資勉強法
(講談社プラスアルファ新書)
野尻哲史:フィデリティ投信 フィデリティ退職・投資教育研究所所長

野尻: 伝統的な経済学は、人間は物事を合理的に考えて行動するというのが前提となっています。でも、実際、人は合理的に考えてないということがありますね。しかも単に合理的じゃないということだけじゃなくて、非合理的な活動や行動も客観的に見て取ることができることが多いのです。これを実験しながら証明し、伝統的な経済学の中に織り込んでいこうというのが行動経済学です。

 例えば、宝くじ。当選の確率は非常に低いのですが、多くの人が買います。しかも、買い続けている。通常の合理的な経済仮説からいけば、低すぎる期待値を前提にすることは有効な投資方法ではありません。宝くじは夢を買うといいますが、かなり高額な浪費ですよね。

 また、例えば、18パーセントとかいう高い金利で消費者ローンを借りる人がいます。このとき「毎月の返済額はコーヒー何杯分です」という切り口で言われると、10万円借りても大したことはないように思えます。でも、複利で計算すると、すごい金額になりますよね。

 資産運用でも、同じようなことが指摘できます。ライフサイクル仮説というものがあります。これは、人間は一生で稼いだお金を合理的に判断して一生かかって使っていくという経済学の考え方ですが、実際には、そうはなっていませんよね。もし、それができていたら、リタイア後の生活資金に悩むことなんかないはずですものね。


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