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鳥つね自然洞(秋葉原)〜卵かけご飯的? 極上の親子丼

2006年5月29日

親子丼に一家言持っている人は意外と多い。しかも人それぞれ、見事にバラバラだったりする。

曰く、「卵に火が通り過ぎていてはいけない」、「卵はしっかり閉じられてないとイヤ」、「鶏肉の歯ごたえがしっかりしていなくてはいけない」、「鶏は柔らかめのほうがご飯や卵と合う」、「甘くなりすぎるからタマネギが入っていてはいけない」、「いや、タマネギのあの食感が大事」、「鳥スープが熱すぎてはいけない」、「鳥スープはやけどするくらい熱くなくっちゃ」……。

ま、こんな風に議論が白熱するくらい、親子丼ファン(フリーク?)は多いわけですね。あなたはどうですか? 卵はどのくらいの煮方が好き? 鶏肉とのバランスは? タマネギは入ったほうが好き? 鳥スープの温度は?

ボクはといえば、もともとは蕎麦屋のベーシックな親子丼がいちばん好きであった。つまり、しっかりめに卵でとじてあり、鶏の歯ごたえは柔らかめ、んでもってタマネギ入り。鳥スープなど蕎麦屋ではつかない。そんな感じの親子丼。というか、親子丼にそんなに完成度を求めていなかったのかもしれない。ちょっと昭和の匂いがしてしまうような素朴な親子丼が好きなのであった。

でも、ここ「鳥つね自然洞」の特上親子丼(1600円)を食べて以来、ガラリと考えが変わった。素朴な親子丼はそれとして未だ愛してはいるが、でも完成度の高いここの親子丼を食べて以来、せめてこの一点は守ってくれ、というようなポイントが出来てしまった。それは「卵は半熟以下でよろしく!」ということである。そのくらいのインパクトをこの店は与えてくれたのだった。

なにしろここの親子丼、地鶏の質や味付けもただものではないが、卵の仕上げ方に特徴があるのだ。そう、ほとんど生状態でかけるのである。

卵かけご飯が大好きなボクとしてはもうそれだけでたまらないのであるが、とはいえご飯にしみこんでいってしまい鶏肉とのバランスがとれないのではないかと見た瞬間には思った。でも食べたらそれは杞憂とわかった。火が通りすぎているよりもずっと鶏肉との絡みがよくなる。鶏肉と卵が分離せず、鶏肉の表面をきれいにコーティングして味わいを深めてくれる。

しかもこの特上親子丼に使っている卵が兵庫県から取り寄せている特別なものらしく、味わい・香り・粘りともに抜群だ。うーん、これ、卵かけご飯だけで食べてもきっとものすごくうまいだろう。んでもってそこにとてもうまい地鶏の歯ごたえや香りまでついてくるのだもの、そりゃうまいに決まっているわい。

この特上親子丼は1日20食限定。普通の親子丼もあるが、もし初めてならぜひ特上を。開店前に並んでいれば多分食べられると思う。1600円が高いか安いか、食べてみてからご判断いただいたい。

店データ

鳥つね自然洞
東京都千代田区外神田5-5-2
TEL 03-5818-3566
11:30〜13:30/17:00〜21:00
日祝休

さとなお

本名:佐藤 尚之。1961年東京生まれ。本職は広告会社のクリエーティブ・ディレクター。

1995年、個人サイト「www.さとなお.com」を立ちあげ、現在約1000万アクセス。ネット上での活動をきっかけに出版や連載を手がけるようになる。著書に「うまひゃひゃさぬきうどん」「ジバラン・フレンチレストランガイド」「さとなおの自腹で満足!」「沖縄やぎ地獄」「沖縄上手な旅ごはん」など。最新刊はエッセイ集「人生ピロピロ」(角川文庫)。今年は鮨の本なども予定中。

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