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ビストロ・ド・ラ・シテ(西麻布)〜老舗ビストロで食べる、12食限定の“シテ丼”

2006年3月13日

男が昼に一人でフレンチを食べるのは結構勇気がいる。周りは女性ばっかりだったりするし、妙に小洒落た店も多い。肩肘張ったサービスを昼から受けるのもイヤ。まぁ“フレンチレストラン”でなく“ビストロ”ならなんとかなるか…と思ったりもするが、どちらにせよ「自分が周りの雰囲気から浮いてやしないか」と気が気じゃないのである。でも男だって昼においしいフレンチが食べたいのだ。あんなおいしいもの女性だけに占領させといてなるものか。

そんな憤慨をもっているアナタ(少しはいますよね?)、いいビストロがあるですよ。西麻布の「ビストロ・ド・ラ・シテ」。創業1973年の老舗である。

この店はもともと、男によく似合う。いい感じに古びているし、いい感じにくすんでいる。男が一人で小さなテーブルを占領しても絵になる古び方。創業から33年の歴史が壁や床や天井に染みついている。こういう店こそ我々男が似合うのである。逆に、若い女の子はいまひとつ似合わないのではないか? とさえ思える趣。

しかも、ここのランチにはなんと「丼」があるのである。丼っつうたら、まさに男のものじゃないですか! この店こそ男のためのビストロだ。その丼、名前はシテ丼という。自家製天然酵母パン(美味!)と、リエット、コーヒーがついて1000円。実にお得だ。

もちろんこの丼、実際にあの丼容器に入って出てくるわけではない。普通の深皿。でも、丼と名付ける意味はわかる。ライス(ジャスミンライス)の上に具だくさんの煮込みがかけてあるのである。丼と呼ぶにはライスが少ない気もするが、フレンチレストランとしてギリギリの選択なのだろう。ジャスミンライスとトマトベースの煮込み料理がきっちりマッチしていてとても美味しい。

というか、まぁ名店ですからね。ボクはこのビストロが大好きなのだ。2004年にシェフが変わってメニューを一新し、より安くよりおいしくなったのも喜ばしい。その実力店がオリジナルな丼をランチ用に作っているのだ。まずいわけがない。

ただ、このシテ丼、1日12食限定なのです。とはいえ、残念にも売り切れていたとしても、1500円、2800円、3900円というお得なランチコースもあるから安心だ。しかも消費税込み、給士の女性は実に感じいいのにサービス料なし、も嬉しい。良心的だ。

ちょっと量が足りないかも…と思われる方には、プラス500円で前菜を取れる。「シテ風オードブルの盛り合わせ」や「田舎風パテ」、「本日のスープ」などの中から1品とってコースにすればお腹もいっぱいになる。これでワインを一杯…なんて昼から極楽だ。まぁそこらへんは午後の仕事とご相談のうえ、at your own riskでどうぞ。

店データ

ビストロ・ド・ラ・シテ
東京都港区西麻布4-2-10
03-3406-5475
12:00〜14:00/18:00〜22:00
月休

さとなお

本名:佐藤 尚之。1961年東京生まれ。本職は広告会社のクリエーティブ・ディレクター。

1995年、個人サイト「www.さとなお.com」を立ちあげ、現在約1000万アクセス。ネット上での活動をきっかけに出版や連載を手がけるようになる。著書に「うまひゃひゃさぬきうどん」「ジバラン・フレンチレストランガイド」「さとなおの自腹で満足!」「沖縄やぎ地獄」「沖縄上手な旅ごはん」など。最新刊はエッセイ集「人生ピロピロ」(角川文庫)。今年は鮨の本なども予定中。

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