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山本屋総本家(秋葉原)〜名古屋名物味噌煮込みうどんで温まる!

2006年3月6日

名古屋を代表する味噌煮込みうどんの系列は二つあって、実にややこしいことになっている。

山本屋総本家と山本屋本店。

これらは親戚でも分家でもなく、並列してライバルとして存在する。どちらかが後から山本屋を名乗り、どちらかがその区別のために名前を変えたのだが(ネット検索すれば、たいたいはわかるようだが)、まぁボクたち食べ好きにとっては、今現在美味しければよいわけで、由来はどうでもいい。とにかく、本場の名古屋では両店ともにとても有名だ。

で、この両雄の一方、山本屋総本家が2004年11月に東京に進出してきているのである。知ってはいたがずっと行く機会がなかった。この前やっと行ってきたのでご紹介しよう。その前に、名古屋の味噌煮込みうどん、食べたことありますか? 東京のうどん屋でもメニューとして存在している店は多いが、味はともかく、食べ方や段取りが少々違うので、個人的な食べ方も含めて解説してみたい。

まず、頼むのは“親子煮込”が基本。鳥肉が具として入り、生卵が割り入れられている。ここにトッピングを追加してもいい。ちなみにボクは“えのき”を入れるのが好きである。店によっては辛口にしてくれるところもある。味噌多め、ということだ。出来れば、ご飯もとること。次に段取りとしてエプロンを首に巻く。紙エプロンを「使いますか?」と持ってきてくれるのでそれをする。そうしないと味噌がシャツなどに飛んでエライ目に遭う。

いよいよ味噌煮込みうどんが来たら、土鍋のフタを小皿として使用する。ここはわりとポイント。フタに蒸気抜きの穴が空いていないから出来る技。これが東京のうどん屋とかとは違うのである。で、土鍋のうどんをフタに移してハフハフ食べる。

もしアナタが「ねこまんま」好きなら、フタを使わずにご飯茶わんを小皿代わりにしてもいいだろう(ちょっと見た目が品がないが)。ご飯にしみ込んだ八丁味噌がなんともいい味を出す。ただ、一般的にはフタでうどんと具を食べ、最後に残った味噌にご飯を投入して雑炊にするのが正しいと思う(というか、「正しい」というのは別になく、ボクはいつもそうする、というレベル)。

名古屋の味噌煮込みうどんは打つときに塩を入れないという。そうすると煮込んでも柔らかくならず、硬い食感がキープされる(味噌味がより塩辛くならないように、との狙いもあるそうだ)。芯が残っているのか? といぶかるくらい硬めのうどんがここの魅力。これに慣れると、柔らかいうどんを使った味噌煮込みうどんでは全然物足りなくなる。名古屋出身者は各地の味噌煮込みうどんを情けない思いで見ていると思う。

そういう意味で、とても男性的な食べ物かもしれない。働き盛りの男どもが、白シャツに紙エプロンしてハフハフガシガシ食べるのが似合う。まだ「硬い味噌煮込みうどん」を食べたことないアナタ、ぜひ一度、本場の味に挑戦してみてほしい。

店データ

山本屋総本家 神田和泉店
東京都千代田区神田和泉町1-10-8松和ビル(JR秋葉原から歩いて5分)
03-3861-5030
11:30〜15:00/17:30〜21:00
日祝休

浅草にも2005年9月にできた。
山本屋総本家 浅草雷門店
東京都台東区雷門1-15-9
03-5806-0880
11:30〜15:00/17:30〜21:00
月休

さとなお

本名:佐藤 尚之。1961年東京生まれ。本職は広告会社のクリエーティブ・ディレクター。

1995年、個人サイト「www.さとなお.com」を立ちあげ、現在約1000万アクセス。ネット上での活動をきっかけに出版や連載を手がけるようになる。著書に「うまひゃひゃさぬきうどん」「ジバラン・フレンチレストランガイド」「さとなおの自腹で満足!」「沖縄やぎ地獄」「沖縄上手な旅ごはん」など。最新刊はエッセイ集「人生ピロピロ」(角川文庫)。今年は鮨の本なども予定中。

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