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あんこう屋 高はし(築地)〜市場内で冬限定 あんこう煮

2006年2月13日

築地場内には昼飯処がたくさんある。そして「魚や食のプロである人々が集まる築地であるから、ごまかしがきかない。だからおいしい店が多い」ということになっている。客もそれを期待してニコニコと行列している。

もちろん正しい面もある。素材は確かにいいし、なによりモノは新鮮だ。とはいえ、では料理の腕が市場の外に比べて優れているかというと、そうとは限らない。基本的に市場の働き手が「安く、早く」食事をする場なのである。そういう前提で食べに行った方がいいと思う。

そういう意味で、築地市場内は「鮮度重視の料理を出す店」を選ぶ方が当たりはずれが少ないだろう。といえば、鮨。「大和 寿司」、「寿司大」など、築地場内ならではのモノが味わえるだろう。

ただひとつ問題がある。我々サラリーマンが、昼をそこで食べるのは不可能に近いのだ。いずれの店も、生易しい行列ではないのである。観光客やオバサンたちがトグロのような行列を作っている。迷路のような場内で、やっとお目当ての店にたどり着いたとしても、きっと途方に暮れることだろう。

そういう時にオススメしたいのが、「あんこう屋 高はし」である。ここは定食系食堂として、場内ではトップクラスにうまい。仕入れにおいては高級割烹に引けを取らないという噂もある。が、そのわりに行列が少ないのである(もちろん日に寄るが)。10分ほど並べば食べられることも多い。注文してから魚をさばくので、出てくるまでに時間がかかるものもあるが、それでもなんとか昼休み内に食べ終えられるだろう。

人気なのは「穴子丼」。ふんわりとろける穴子とご飯の丼で味もいい。干物もいい。店の裏に並べて干した干物を焼いて出してくれる。量も多いしお得な感じ(時価ではあるけど、市場内だけあって安価)。季節の魚の刺身もいい。これは何といっても「築地で食べてる」感を味わうには抜群だ。

でもですね、ボクは冬限定メニュー「あんこう煮」を是非おすすめしたい。あんこうは店名になっているだけあって、さすがに質は高い。時価なので少々値が張り、1500円〜2500円くらいの間で変動しているようだが、満足感は高く、充実した昼メシとしては欠かせない一品だ。市場内で食べている臨場感と季節感が一体化して、この絶品あんこうがさらに美味しく感じられるのだ。春も3月になると徐々になくなっていくメニューなので、急いでくだされ。

去年から今年にかけて、築地本がいっぱい本屋に並んだ。ある意味、ブームなのだろう。そういうこともあって市場初心者が増え、この店の前にもいっぱい注意書きが貼り出されるようになってしまった。マナーを守って、ぜひ、おいしいあんこうを味わってください。ちなみに一日限定数皿だったりすることも多いので、早めに行こう。朝7時から13時までの営業です。

店データ

あんこう屋 高はし
東京都中央区築地5-2-1 築地市場内8号棟11
TEL 03-3541-1189
7:00〜13:00
日曜及び市場休日 休
※2006年2/7〜13はお休み

さとなお

本名:佐藤 尚之。1961年東京生まれ。本職は広告会社のクリエーティブ・ディレクター。

1995年、個人サイト「www.さとなお.com」を立ちあげ、現在約1000万アクセス。ネット上での活動をきっかけに出版や連載を手がけるようになる。著書に「うまひゃひゃさぬきうどん」「ジバラン・フレンチレストランガイド」「さとなおの自腹で満足!」「沖縄やぎ地獄」「沖縄上手な旅ごはん」など。最新刊はエッセイ集「人生ピロピロ」(角川文庫)。今年は鮨の本なども予定中。

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