鮨与志(秋葉原)〜アキバで買い物途中、さっと鮨をつまむ
9月16日にJR秋葉原駅東口に巨大な「ヨドバシカメラ・マルチメディアAkiba」ができ、世界に誇る電気街“アキハバラ”の客動線も変わりそうな昨今である。なにしろ売り場面積は家電量販店では国内最大。2万3000平方メートル。取扱商品は家電だけなく、おもちゃ、楽器、自転車までと幅広い。そのほかにも、本屋、CDショップ、ゴルフ練習場、30の飲食店などのテナントも入っているという。ここ数年は、『電車男』で脚光を浴びたいわゆる“オタク”が集まる街としても注目され、なにかと話題豊富な街なのだ。
でも、残念なことに、秋葉原は飲食店に恵まれていない。いつも食事に困ってしまう。まぁ無理もないのだな。みんなこの街に「美味しいもの」など期待していないうえに、秋葉原に来る客は「数百円でも安く家電・AVを買いたい!」と思っている客なのである。メシなんかにお金を使いたくないのだ。せっかくさっき時間をかけて交渉して1000円値引かせたのに、昼メシに1000円使ってしまうなんてバカらしい、みたいな発想になってしまうわけ。だから少しでも安い食事が求められるのである。
ということもあって、食の空白地帯になっている秋葉原だが、このコラムの読者はそんなことを思ってはいけない。値引きは値引き、昼メシは昼メシ。ちゃんと美味しいものを食べようではないか。
食の空白地帯と言っても、昼メシの選択はいくつかある。ボクはたいてい決まっていて、とんかつの「丸五」か「鮨与志」を選ぶことが多い。特に「鮨与志」。買いたいものがあり、気もそぞろで早く買い物を続行したいときなどに最適。鮨は日本古来のファストフードであるからして早く食べ終われるのだ。
この店、秋葉原周辺にある鮨屋ではもっとも真っ当と思う。安い電気製品目当ての若者客が多いこの街。よくぞ長い間、大健闘を、とボクは敬意をいだいている。しかも立地がすごいのだ。なんとラオックス・コンピューター館の地下1階。ごちゃついた量販のビルの地下に唐突にある。扉を開くといきなり正統江戸前の世界が広がっており、その違和感がとても面白い。
味的には、東京に点在する江戸前握りの名店の数々と比べると、不満を持つ人もいるかもしれない。でも秋葉原でこのレベルは貴重。特にこの店はマグロがうまい。インド洋のインドマグロを使用して、手ごろな値段でしっかりしたおいしいマグロが食べられる(いいインドマグロは近海物と遜色ないとボクは思っている)。
マグロがオススメのこの店、ランチセットは「づけ鉄火丼」(940円)などどうだろう。握りセットももちろんあるが、せっかく握りを食べるなら、お好みの方がいいかもしれない。5000円もあれば存分に満足できる。コンピューターを買いに来る若者、学生にはどうも鮨屋は敷居が高いようで、お店はわりと空いているのだ。雑然としたアキバから隔離された空間で、ゆっくり握りをつまむのも、なかなか乙なものだ。
店データ
鮨与志
東京都千代田区外神田1-7-6 ラオックスコンピューター館B1F
Tel:03-3251-4444
11:30〜14:30/17:00〜22:00
日祝休
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