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京すし(京橋)〜甘く調えられたハーフ丼

2005年8月29日

入りにくい店、というのがある。値段も高そうだし、格も高そうだ。そのうえ一見が気軽にくぐってはいけないような雰囲気が漂っている。そういう店に限って、戸を開けて入ってみると実はとてもきさくで気持ちいい店だったりすることも多いのだが、でも戸を開けるまでめちゃくちゃ勇気がいる店というのは意外とたくさんあるものだ。

京橋の「京すし」もそういう店のひとつであった。古い一軒家で、とっても趣があるのだが、夜、誰の紹介もなくこの店の戸をガラリと開けられる人は相当の強者だろう。凛とした空気が外までじわりと漏れていて、かなりハードルが高いのである。でも一度入ってみたいなぁと前から思っていた店なのであった。

こういう店にトライするのはランチがよい。そう、値段や格式が高そうな店こそランチで試してみるとよいのである。昼も夜と同じメニューの店もあるが、ランチ用に安いメニューを出している店はたいてい店先にそういうメニュー札を出している。幸いこの店もそうだった。引き戸の横に和紙に筆で「本日のスペシャル 鉄火丼 1200円→1000円」、「いなだ丼880円」とか書いた札がかかっているのだ。安いじゃん。安心じゃん。試してみる価値ありそうじゃん。そう思っていそいそと入ってみたボクなのであった。

古く使い込まれた店内は趣充分。歴史を感じさせつつも、とても清潔でシンプル。「これはアタリだ」と確信する。こういう店は絶対うまい。お、つけ場に立っている職人の佇まいもいいぞ。うむうむ。期待全開。

さてサービスの丼どちらにしようかな、と考えていたら、ほぼ同時に入ってきた客が「ハーフで」とのたまう。「はい、鉄火といなだ、ハーフで」と職人が答える。なるほどー。半々ができるのね。ボクもそのハーフを頼んだ。鉄火半分、いなだ半分、丼の酢飯の上にキレイにレイアウトされて並んでいる。そしてわさびが美しく乗っている。ほう。うまそう…。

で、食べてみたのだが、お、これは……甘いのだ。酢飯が甘い。酸っぱい酢飯の丼に慣れた舌にとても新鮮。そして鉄火やいなだと実に良く合う。鮨屋の丼ものって、酸っぱい酢飯で当然と思っていたが、実は甘めに味を調えた方がおいしいのだと初めて気づいた。ううむ、これはなかなか。で、うまいうまいと食べ進めていると歯にシャリッと来た。ガリが細かく切って酢飯の上に敷いてあるのである。これがいいアクセントになっているじゃん。おいしいじゃん。一緒に出てくるシジミの味噌汁もまたグッドじゃん。

ボクは久しぶりに鮨屋の丼でうまいと感じた。近くの客を見ていたら、アジ丼やサバ丼、アジとサバのハーフなども出来るようである。なるほど、次はアジ・サバ・ハーフ丼にチャレンジしよう。甘めの酢飯とガリ微塵切りはアジやサバの方がよく合うだろう。それにアジ・サバにはネギが盛られていて、これもまたいい感じなのだ。

甘めの酢飯と微塵のガリ、そしてキレイに並べたタネ、とんと乗せられたわさび……店内の雰囲気と同じく、実に完成度の高い丼であった。この丼を食べにわざわざ京橋に出かける価値がある。八重洲ブックセンター入口横の筋を2ブロックほど入った右側。本を買う行き帰りに寄る、いい昼メシ屋さんがひとつ見つかった。

店データ

京すし
東京都中央区京橋2-2-2
Tel:03-3281-5575
11:00〜14:00/17:00〜20:00
土日祝休

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