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なかね(銀座)〜まぐろ茶漬け、一品のみで大行列

2005年8月1日

銀座の8丁目、いわゆる銀座中心部から昭和通りを渡って静かな路地を少し入ったところに、鰻で有名な「竹葉亭本店」がある。佇まいもよく鰻もおいしいから、2階座敷のふかふかの座布団でゆっくり昼メシを食べたいときたまに利用する。3000円近くしてしまうが、何か特別な相手とか、外国人のお客さんとかを連れて行くのに重宝するのである。

そうして竹葉亭本店はよく利用していたのだが、そこに行くたびになんか気になる店があった。竹葉亭本店の玄関真向かいだからどうしても目に入るのである。あぁ喰った〜! やっぱ鰻うめぇ〜! と思って正面玄関を出ると、真向かいの店が大行列になっているのだ。有名店を差し置いてこの大行列。うーむ…。見ると小さな店である。「一品だけのランチ まぐろ茶漬け」とのぼりに書いてある。まぐろ茶漬け? そんでもってこの行列? よっぽどおいしいのだろうか。

実は銀座8丁目のこのあたりはいろんな店が軒を連ねており、鰻の「竹葉亭本店」を始め、鯛茶漬けの「あさみ」、ラーメンの「勇」、長崎ちゃんぽんの「思案橋」、果ては「神田川」や「吉兆東京本店」などもあり、選択肢が多いのである。そういうこともあって、この店「なかね」には長く足を運べなかった。初めて行ったのは今年の春あたりだっただろうか。やっぱり行列が出来ていた。行列嫌いなボクとしては相当ハードルが高い。しかも風向きによっては鰻を焼く香りが漂ってくる。

うぅ鰻にするか。いや、我慢の子、我慢の子…。

意外と回転もよく、10分ほど並んで、すっと入れた。居酒屋風の店内。夜はコースのみ(5000円ほど)の割烹らしいが、わりとカジュアルである。席にすわると何も言わずにまぐろ茶漬けランチ(900円)が出てくる。一品しかないから回転がいいのだな。丼にたっぷり入ったご飯(麦入り)に味噌汁。お新香、番茶が入った急須、そしてまぐろ。まぐろは細かめな短冊状に切ってあり、ゴマダレに海苔とわさびをかけられて、わりと量多く出される。これが1セットである。

一口食べてみて行列のわけがわかった。とてもうまい。まずはゴマダレとまぐろをよくかき混ぜてから、まぐろをご飯に乗せて丼みたいにして食べるのだが、わりと濃い味付けなのでご飯にとても合う。

あぁうまい。

この食べ方でまぐろを半分くらい消費。んでもってご飯が2分の1ほどに減ってきたら、残ったゴマダレをご飯にかけて、少しゴマダレご飯を楽しむ。これまたうまい。最後に3分の1ほどのご飯に残しておいたまぐろを乗せ、番茶をかけてお待ちかねのまぐろ茶漬け。濃い味のゴマダレもこの茶漬けに焦点が合わせてあったのだとよくわかる。うまいねぇ。

食べ終わってから満足度が高いのは量も多いから。あぁ喰った喰った、うまかった。こういう満足感はランチならではのものである。この店、きっと夜もまぁまぁ満足度高いと見た。12時すぎのラッシュを避ければ行列がなくても入れるのが最近判明。きっと満足するまぐろ茶漬けランチ。高級料亭たちを横目に、ぜひにぜひに。

店データ

なかね
東京都中央区銀座8-17-9
Tel:03-3541-3380
11:30〜13:30/17:30〜22:00
土日祝休

さとなお

本名:佐藤 尚之。1961年東京生まれ。本職は広告会社のクリエーティブ・ディレクター。

1995年、個人サイト「www.さとなお.com」を立ちあげ、現在約1000万アクセス。ネット上での活動をきっかけに出版や連載を手がけるようになる。著書に「うまひゃひゃさぬきうどん」「ジバラン・フレンチレストランガイド」「さとなおの自腹で満足!」「沖縄やぎ地獄」「沖縄上手な旅ごはん」など。最新刊はエッセイ集「人生ピロピロ」(角川文庫)。今年は鮨の本なども予定中。

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