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おひつ膳 田んぼ(西新宿)〜極上ご飯に、卵がけ!

2005年7月11日

卵がけご飯が好きである。

生卵としょうゆを混ぜて真っ白なご飯にぶっかけて食べるアレ。しょうゆをどのくらい混ぜるかは相当重要な問題で、少しでも多く入れすぎると味が崩れる。生卵の香りとしょうゆの香りがきっちりバランスとれる瞬間があるのである。だから様子を見ながら慎重に慎重にしょうゆを足していく。そんな即席調理感もよい。なんでもない食事が妙にスリリングに変わる。

とはいえ、昼メシに外食して、普通の定食屋とかで卵がけご飯にするのは意外と勇気がいるものである。お行儀悪い感じがある上に、お店がせっかく計算して作った「おかずと白いご飯のバランス」みたいなものを暴力的に崩してしまう気がする。お店に失礼な感じがするのである。いや、下世話な大衆食堂では楽勝で出来るよ。でも、きちんと真面目&良心的なランチを出してくれる店ではとてもやりにくいのである。

今日ご紹介する「おひつ膳 田んぼ」は、きちんと真面目&良心的なランチを給してくれるのに、堂々と卵がけご飯を食べられるお店である。いや、卵がけご飯を売りにしているわけではない。ここの売りはお米なのだ。お米を重視し、おいしいご飯を炊いて出すことをコンセプトにした店なのである。そう、おかずが主役ではなくご飯が主役。米は季節や状態によって変えるようで、壁に「今週のお米」とか表示されている。それを毎朝精米し、「精米したて&炊きたて」で出してくれる。それはそれはなつかしいくらい美味しいご飯である。スタッフは米作りにも携わっているらしく、田んぼでのスタッフの写真がレジ横に貼ってあったりする。というかこの店がブレンドしたお米すら売っているくらいなこだわりぶり。ここまで徹底しているのも珍しい。

で、何が言いたいかというと、ご飯が主役なこの店だからこそ、卵がけご飯が堂々と楽しめる、ということだ。だってご飯をおいしく食べるのが目的なんだもの。なんの遠慮がいろうか。たとえば「昼おひつ膳」はさば味噌や鮭がおかずに選べて1000円。メニューにはご飯を楽しむための一品が多数用意してあって、焼き海苔やら漬け物やら梅干しやら納豆やら明太子やら頼めるのだが、その中に地鶏生卵というのがあるのである(100円)。これを追加オーダーして慎重にしょうゆ(天然醸造)を差し、めちゃくちゃおいしい白ご飯にぶっかけて食べる卵がけご飯のそのおいしいこと!

茶碗にたっぷり2杯以上取れるおひつは一回おかわりできる。だから、まずは薫り高い白ご飯をそのまま2杯、おかずとともに楽しみ、そのあとおかわりしてまずは卵がけご飯。そして最後の一杯は玄米茶漬けにする(茶漬け用に玄米茶が用意されている)。どうだ。こんなにご飯が楽しめる昼メシが他にあるか。完璧ではないか!(食べすぎ?)

西新宿店以外にも、代々木店、表参道店と三つある。ご飯におかずを乗せて丼にしてあるメニューも多数揃えてあるが、1500円前後してしまう上に、卵がけご飯の快感が減ってしまう。やっぱり真っ白なご飯をいろんな角度から二度三度楽しめる「昼おひつ膳」で、ぜひとも日本人に生まれた喜びを再確認してほしいと思うのである。

店データ

おひつ膳 田んぼ
東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビル 2F
Tel:03-5325-6816
11:30〜22:00(土11:30〜21:00)
日祝休

※他2店あり
代々木店:東京都渋谷区代々木1-41-9/03-3320-0727
表参道店:東京都渋谷区神宮前5-49-5/03-3797-3914

さとなお

本名:佐藤 尚之。1961年東京生まれ。本職は広告会社のクリエーティブ・ディレクター。

1995年、個人サイト「www.さとなお.com」を立ちあげ、現在約1000万アクセス。ネット上での活動をきっかけに出版や連載を手がけるようになる。著書に「うまひゃひゃさぬきうどん」「ジバラン・フレンチレストランガイド」「さとなおの自腹で満足!」「沖縄やぎ地獄」「沖縄上手な旅ごはん」など。最新刊はエッセイ集「人生ピロピロ」(角川文庫)。今年は鮨の本なども予定中。

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