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茶々(大森) こんなところに美味しらすめし専門店

2005年5月16日

大森で「いざ昼飯!」という事態になったら、まぁ蕎麦屋の「布恒更科」が第一候補だろう。同じく蕎麦の「しのはら」や「いさ美庵」、洋食の「入船」、ピザの「ジョイヤ」なんかも捨てがたいが、いざ大森で腹減った〜となったら、ボクは「布恒更科」を選ぶことが多い。なんといっても東京トップクラスの蕎麦が大森で食べられるのだもの、雰囲気も抜群だし、タネものもうまい。思わず昼から一杯、なんてことになりかねない店である。まぁこの店はそのうちここでも取り上げるかもしれない。

でも、今日ご紹介する「駿河特産 釜揚げしらすめしの店 茶々」を知ってからは少々事情が変わった。もちろんうまいということもある。大森での昼飯の第一候補になるくらいはうまい。でも理由はそれだけではない。この店、昼のみの営業なのだ。「布恒更科」は夜でも行ける。でも「茶々」は昼しか行けない。そうなるとどうしても「茶々」に足が向くというものだ。

そのうえこちら、ユニークなことに「しらすめし専門店」なのである。しらすめし……しらすが名産な地方港ではしらすめしはよくメニューに載る。でも東京の大森でしらすめし専門とはなんとも珍しいではないか。しかも昭和54年からずっとしらすめし一本でやっていると聞く。うーむ。売れるメニューをいっぱい取り揃えて客単価UPをはかる店が多い中、この勝負の仕方は潔いし志が高い。すばらしい。聞けば実家がしらす漁の漁師と言うことで、駿河湾の新鮮なしらすが毎日のように届けられるらしい。なるほどねー。

外観はわりと素朴ではあるが、階段を上ってドアを入ると中には意外なほど清潔で気持ちいい空間になる。いつもお客さんでいっぱいなのでオバサンもせわしそうだが、ちょっと話してみるととても丁寧で親切。あぁこの店はおいしいだろうなぁという予感すらわき起こる。メニューは「釜揚げしらすめし」を中心に「いわしフライ」「いかフライ」「オムレツ」などをつけてセットにできる。この一品も結構なお味。小鉢もついて量も多く、満足度が高いのだ。もちろんしらすそのものも香り高く、さわやかな海の香りがあふれてご飯とよく合う。

昼休み時は行列になっているが、ひとり客も多く回転はまぁまぁ早い。しらすでカルシウムをいっぱいとって、午後の仕事をイライラせず乗り切ろう。というか、「しらすめし」ってなんか元気が出る気がしない? 妙に日本男児の活力が刺激される。つか、しらすをかけた飯のうまさがわかるのは我々日本人だけかもしれないではないか。そういう共通体験をどこかでうれしく思いつつ、一気にガシガシ喰らうべし。

店データ

釜揚げしらすめしの店 茶々
東京都大田区大森北1-13-14
Tel:03-3764-2871
11:15 〜 15:00(土曜 11:15 〜 14:30)/日祝休
JR大森駅を東側に出て大森銀座を目指す。大森銀座商店街を少しはずれた場所にある。わかりにくいので近くで聞くといい。徒歩5分ほど。

さとなお

本名:佐藤 尚之。1961年東京生まれ。本職は広告会社のクリエーティブ・ディレクター。

1995年、個人サイト「www.さとなお.com」を立ちあげ、現在約1000万アクセス。ネット上での活動をきっかけに出版や連載を手がけるようになる。著書に「うまひゃひゃさぬきうどん」「ジバラン・フレンチレストランガイド」「さとなおの自腹で満足!」「沖縄やぎ地獄」「沖縄上手な旅ごはん」など。最新刊はエッセイ集「人生ピロピロ」(角川文庫)。今年は鮨の本なども予定中。

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