このページの本文へ
ここから本文です

まずは豊崎氏の寸評から。

「今回の芥川賞は絲山秋子だと思います。3回も芥川賞候補になりながら、前回は『逃亡くそたわけ』で直木賞候補に回され、また芥川賞候補に出戻ってきたんですよ。これで『受賞作じゃありませんっ』て言ったら、それは鬼の所業です」(豊崎)。

「直木賞は姫野カオルコさんの『ハルカ・エイティ』に本命を付けました。だけど、ほんとは心苦しいんです。同じく直木賞候補作である伊坂幸太郎さんの『死神の精度』が出たときに『これが絶対取る』って断言しました。そのあと、東野圭吾さんの『容疑者のXの献身』を読んで、『あ、受賞はこっちだっ!』と意見を変えたのに。まさか、また意見を変えることになるとは…。伊坂さん、東野さん、ごめんなさいっ!」(豊崎)。

続いて大森氏。

「芥川賞候補の顔ぶれは、“在庫一掃”って感じですね。候補になるのはもう4回目という佐川光晴と絲山秋子のどちらかに授賞するのか。でもそれじゃ地味なんで、話題性を狙って松尾スズキとの同時受賞もありなのか? 個人的には異才・西村賢太に評価が集まったら面白いと思います。意外とありかも」(大森)。

「直木賞は、東野圭吾に授賞しないわけにはいかないんじゃないか。恩田陸とのダブル受賞を予想してみました。恩田は、2005年の吉川英治新人賞、本屋大賞も取って着実に実績を積み重ねている」(大森)。

などと、憤ったり反省したり深読みしたり悩んだりしながら出してもらったレース予想は以下の通り。(◎=本命 ○=対抗 ▲=穴 …=その他)。

●第134回芥川賞候補作
選考委員/池澤夏樹・石原慎太郎・黒井千次・河野多惠子・高樹のぶ子・宮本輝・村上龍・山田詠美

伊藤たかみ 「ボギー、愛しているか」(群像12月号)
大森… 豊崎…
西村賢太 「どうで死ぬ身のひと踊り」(群像9月号)
大森○ 豊崎▲
松尾スズキ 「クワイエットルームにようこそ」(文學界7月号)
大森▲ 豊崎…
絲山秋子 「沖で待つ」(文學界9月号)
大森… 豊崎◎
佐川光晴 「銀色の翼」(文學界11月号)
大森◎ 豊崎○
清水博子 「vanity」(新潮10月号)
大森… 豊崎…

芥川賞候補作が掲載された主な文芸誌

●第134回直木賞候補作
選考委員/阿刀田高・五木寛之・井上ひさし・北方謙三・津本陽・林真理子・平岩弓枝・宮城谷昌光・渡辺淳一

東野圭吾 『容疑者Xの献身』(文藝春秋)
大森◎ 豊崎○
姫野カオルコ 『ハルカ・エイティ』(文藝春秋)
大森… 豊崎◎
恩田陸 『蒲公英草紙』(集英社)
大森◎ 豊崎…
恒川光太郎 『夜市』(角川書店)
大森… 豊崎…
伊坂幸太郎 『死神の精度』(文藝春秋)
大森▲ 豊崎▲
荻原浩 『あの日にドライブ』(光文社)
大森… 豊崎…

直木賞の候補作

候補作が発表された1月6日、1月17日に行なわれる本家の選考会に先んじて、大森氏と豊崎氏による「メッタ斬り!版 第134回芥川賞、直木賞選考会」を実施した。二人が徹底討論し、真の作品評価を下した。この模様を1月11日に公開する予定だ。賞を取りそうな作品=素晴らしい作品とは限らない!? それが芥川賞、直木賞の面白さ。どうぞお楽しみに。

next: 芥川賞候補作紹介…

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

ここから下は、過去記事一覧などです。画面先頭に戻る バックナンバー一覧へ戻る ホームページへ戻る

記事検索 オプション

SPECIAL

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る