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ノミネート作品の順位を予想(1)〜東京タワー、さくら、ナラタージュ

2006年3月10日

『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
 リリー・フランキー(扶桑社)

大森 予想順位 2位 作品評価順位 9位
豊崎 予想順位 1位 作品評価順位 11位

リリー・フランキーの自伝的小説。北九州で過ごした幼少期、大分での高校時代を経て、東京へ。成長を見守ってきたオカンを東京へ呼び寄せて、一緒に暮らす主人公。愛情溢れる日々の中でオカンは癌に冒される。主人公は、その死を看取る。

豊崎 今回は、大森さんとわたしの予想順位を一本化しようと思ったけど、無理でしたね。

大森 気が合わないから。ていうか、豊崎さんが譲らないから! じゃ、評価順位の低い方からいきますかね。豊崎さんの最下位は『東京タワー』。

豊崎 予想順位は1位なのに(笑)。大森さんは評価が9位で、予想は2位。

リリー・フランキー本人を思わせる主人公が、オカンを東京に呼んで一緒に暮らす。そのオカンが癌になったのを看取るという、泣ける小説としてたいへん売れている本ですね。でもわたしは泣けなかった。オカンが犬だったらなー、号泣しちゃったんだけどねー。わたしは動物好きだから。

大森 これはね、反則ですよ! 親なんか居ないような顔して東京で暮らしてる地方出身の30代・40代にだけ、ピンポイントでアピールするもの。読み終わったあと、「孝行をしたいときに親はなし」とかつぶやきながら、つい実家の母親に電話しちゃうかもしれない。電話したら負けだと思って、僕はぐっと踏みとどまりましたけどね。公共広告機構のコマーシャルに使いたいくらいですよ。これだけ親孝行効果の高い小説はめったにない。読者を行動に駆り立てる効果があるって意味では、今どき希有な小説です。

豊崎 まあ、確かに。わたしが60歳の母親で、子どもが東京に出てるとしたらこの本を送るもん。おかあさんのこと大切にしてよって。これ見よがしに、アンダーラインをいっぱい引いてね(笑)。

大森 『東京タワー』を送ってくるような親とは絶対同居したくないね(笑)。

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