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5回に1回はさまってる、「リミックス」もいい。これは、今までやったゲームを混合したもの。なんつーか、運動会に向けて組み体操とかダンスや盆踊りの練習を続けてきて、「今日がその発表日!」つーような、軽くなつかしい感動があるのだ。

バカなものは徹底してバカで、笑える。いちいち書いてるとキリがないが、「リズムお習字」なんかは、笑いすぎて、苦しくてプレイしづらいほどだった。逆に、「ナイトウォーク」をはじめてやったときは、本当に感動した。クリアに失敗したとき、カラスが鳴いた後に流れる曲も、なにげに名曲だと思う。悲しいけど勇気づけられるのだ。

「笑い」あり、「感動」あり、「クール!」あり、「可愛さ」あり。考えたら、すごくお得なソフトだ。

すごいと思うのが、商品の打ち出し方が奥ゆかしいこと。例えば、人の肉声で歌が入っている。ふつう、こういうのって、けっこう宣伝したりするのだが、雑誌の記事では、特にそれを大きくうたってはいなかった。もっと言えば、スタッフロールで「つんく♂」がプロデュースしてることが分かるんだけど、これもおおっぴらに告知してない。いや、もちろん知ってる人は知ってるんだろうけど、あまりそれを「売り」にしようと大声を上げていない。

このソフト、商品としても作品としても、「さりげなさ」がコンセプトなんだろうか。一見、なんてことないように見えて、実はすごくぜいたく。「分かるお方にだけ分かってもろたらよろしい。けど、仕事はキッチリさせてもらいま!」みたいな、すごみを感じる。

筆者の周りの評価も、すごく高い。みな、一様に「よくできてる!」とほめている。ただ、筆者の周りはゲーム業界人ばかりなので、「もしや通好みするソフトか?」という心配もあった。ところが、ショップにいったところ、どこ行っても売ってない。売り切れなのだ。安心した。ゲーム市場は健全だ。

今、ちまたは健康ブームで、本当の食材の良さを見直そうという動きが活発になってる。ゲームの世界も、そろそろ、ぜい肉とかをそぎ落として、滋味のある、本当の意味でのぜいを凝らしたものが見直されつつあるんじゃないだろうか…と、最後にまた、食べ物っぽい話に戻して、筆を置きます。

「ゲームデザイナーが斬る話題のゲーム」は今回が最終回です。ご愛読、どうも、ありがとうございました。

麻野 一哉(あさの・かずや)

1963年生まれ、兵庫県出身。チュンソフトを経て現在フリーランス。「弟切草」「かまいたちの夜」「街」「トルネコの大冒険」などに関わる。著作に『日本文学ふいんき語り』(麻野一哉・飯田和敏・米光一成/双葉社)、『八百比丘尼の斎』(麻野一哉著/チュンソフト)など。Web本の雑誌にて、鼎談企画『脳を鍛える!ゲーム化会議』を連載。

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