「手のひらのリゾート」で、“だらだらと遊ぶための戦い”を考察
(米光 一成=ゲームデザイナー)
「ながら」で楽しむゲームって?
「ゲームは1日1時間」と高橋名人が言わねばならないほど、ぼくたちは、ゲームに熱中して、1日に何時間も遊んでいた。ゲームを遊んでいるときは、真剣にゲームを遊び、母親が「ごはんよー」とか呼んでも、本当に聞こえないほどに熱中していた。
そして、何時間も熱中させるようにゲームは作られていた。そう思わせるゲームが、良いゲームだった。
テレビ番組を観ているときは、途中で、トイレに入ったり、冷蔵庫から飲み物を出したりすることができる。ゲームは、そういった楽しみ方と違っていた。「〜しながらゲームを遊ぶ」「だらだらとゲームを遊ぶ」ということは、当時、考えられなかった。
熱中してどんどん遊び進めたい。
それがゲームだった。
「ながら」ができないのは、ゲームのインタラクションが、「競争」「目標到達」を重視していたからだろう。プレイヤーのアクションが適切でないときに、プレイヤーは「競争」に負け、「目標到達」に失敗する。その失敗を克服するために再度、プレイする。その部分がゲームの面白さの、ほとんどすべてだと考えられていた。
「熱中してどんどん遊び進めたい」という呪縛から逃れようとする試み
だが、実際は、そうではない。
美しい映像や音楽、ボタンを押したときのアクションの豊かさや、タイミングのよい効果音、意外な展開や、操作されるキャラクターの動き。そういったさまざまなプラスアルファが、ビデオゲームの楽しさを押し広げてきた。
そして、そのプラスアルファの部分を重視し、「熱中してどんどん遊び進めたい」という呪縛から逃れようとする試みが、ここ最近増えてきている。
next:「脳トレ」は、1日に何時間も遊ばせない工夫を凝らしている…
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