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「エヴァンゲリオン」の世界に住みたかったのだ

2006年8月3日

(飯田 和敏=ゲームデザイナー)

「エヴァンゲリオン」と「ガンダム」

1996年にテレビ放映されて大ヒットしたアニメーション作品「新世紀エヴァンゲリオン」。今年、放送開始10周年の節目を迎えブームが再燃している。

正確には「再燃」ではなく、「放送以来ずっとブームが継続している」といった感がある。アニメ作品は1998年に公開された劇場版が最後。それ以降は新作が作られているわけではない。この10年間は、「エヴァンゲリオン」の関連商品が定期的に発売されてきた期間である。

ロボットアニメの一方の雄である「機動戦士ガンダム」シリーズはアニメ作品の続編を制作することで、作品世界を拡大してきた。「エヴァンゲリオン」のように、たった一つのコンテンツが10年以上の耐久性を持ち、まだなお沈静化する気配がないというのは、とてもレアな現象ではないだろうか。

ヒットの秘訣は「ここに住みたい」と思わせること

その理由は、もちろん「エヴァンゲリオン」が優れた作品であることにある。筆者も夢中になって鑑賞し、フィギアなどの関連商品を購入した。アニメのグッズを購入したのは、「ガンプラ」(ガンダムのプラモデル)以来だったかもしれない(関連記事)。

『新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ -another cases-10周年記念メモリアルBOX(限定版) 』(『劇場版 新世紀エヴァンゲリオン DEATH(TRUE)2/AIR/まごころを、君に』の劇場版2本がUMDで付いている)バンダイ/PSP対応・1万500円、ゲーム本体のみの通常版は5040円(いずれも税込)。

「エヴァンゲリオン」の登場人物はそれぞれ深刻な悩みを抱えていて、それは劇中では解決することがない。あるいは解決の兆しが見えた瞬間、強制的に物語の幕が降ろされてしまう。物語を展開するオーソドックスな方法は、あるテーマを問いとして立て、その答えを出していくことだ。しかし、「エヴァンゲリオン」はそのようなスタイルはとらなかった。それが衝撃であり、リアルさを感じた。現実に住む私たちが持つ人生の悩みの多くは、安易には解決し得ないものだからだ。

つまり、「エヴァンゲリオン」の世界は、私たちの世界を映す鏡になっている。そこにはいくつかの病的な悩みが存在するが、総体として不快なものとしては描かれていない。あくまでも、ロボットはかっこよく、キャラクターはすてきである。

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