仕組みの盲点をついたライブドア
現在は、株式分割が行われると、すぐに新株が割り当てられ、売買を行うことができます。しかし、昨年まではそうではなく、新株が割り当てられるのは、株式分割からおよそ2ヶ月経ってからでした。
ところが、株価は株式分割の時点で下がります。そのため、株式分割から新株が割り当てられるまでの間は、株数は分割前と同じなのに、株価だけが下がった状態になりました。
前述のように、株価が下がれば買いたい人が増え、需要が増えることになります。一方、株数は増えていないので、供給が十分ではない状態になります。この「需要と供給のギャップ」によって、株式分割後に株価が急騰することもありました。特に、株式分割の比率が大きいほど、需要と供給の差が激しくなりますので、株価を大きく動かす要因になっていました。
ライブドアは1:100もの株式分割を行いましたが、今述べたような仕組みを利用して、株価を吊り上げ、その間に自社株を売り抜けることが目的だったと見られているわけです。これはいわば「仕組みの盲点」をついたやり方ですが、実際このやり方は成功し、ライブドアの株価は分割直後にストップ高が連続し、短期間で10倍近くまで上昇しました(図3)。

株式分割の制度の変更
このように、比率の大きな株式分割を行うことで、株価を吊り上げられることが分かり、現在では株式分割が不当な株価操縦に使われないように、制度の変更が進められています。
まず、東証は2005年3月7日に、上場企業に対して株式分割について以下の指針を出しました。
・大型の株式分割を行う場合は、最大でも1:5までに抑えるようにし、それ以上の株式分割を行う場合は目的などを明確にすること
・株式分割後の最低投資単位が1万円を下回らないようにすること
また、前述したように、株式分割から新株割り当てまでの期間を短縮し、分割直後に新株を売却できるように、今年から制度が変更されています。
これらの対策によって、株式分割を利用して、その直後に株価を吊り上げることは困難になりましたが、「株式分割の発表を好感して株価が上がる」という現象は、これらの対策だけでは止めることができていないのが現状です。
しかし、株式分割をなくしてしまうと、株価が高すぎる銘柄に投資するのが困難になるという問題が生じます。今後も、これらの問題をどううまく処理するかが問われることになりそうです。
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