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やはりゼロ金利解除は失敗だったのではないか

2006年10月19日

(森永 卓郎=経済アナリスト)

本来であれば、景気は力強く成長を続け、今ごろ政府からデフレ脱却宣言が出されているはずだった。しかし、デフレ脱却宣言が延び延びになっている。原因は明らかだ。力強い景気回復を示す指標が出てこないからである。

現在現れている物価上昇は、原油価格上昇の影響が表れているだけで、需給が逼迫(ひっぱく)したことによるものではないのだ。

例えば、日本銀行が発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)では、企業の景況感を表す業況判断指数(業況が「良い」と答えた企業の割合(%)から業況が「悪い」と答えた割合(%)を差し引いた数字)は、大企業製造業でプラス24%となり、前回6月調査のときよりも3ポイント改善した。

しかし、好調と伝えられたこの日銀短観を細かく検討すると、日本経済がデフレから脱却したとはとても言えない結果であることが分かる。まず、3カ月後を見通した業況判断指数の「先行き」は、大企業製造業でプラス21%と、今回よりも3ポイントの悪化が見込まれている。さらに重要なのが、中小非製造業の9月時点の業況判断指数だ。こちらはマイナス8%となっている。中小非製造業の中では、業況が「悪い」と感じている企業が「良い」と感じている企業よりも多い。しかも、この中小非製造業の業況判断指数は、6月調査のときよりも2ポイント悪化しているのだ。

また10月6日に内閣府が発表した8月の景気動向指数は、景気の現状を示す一致指数が77.8%と、景気の判断基準となる50%を5カ月連続で上回った。この時点で明らかになっている一致指数の9指標のうち、7指標が3カ月前と比べて改善した(関連情報)。しかし、半年先の景気予測を示す先行指数は20.0%と、2カ月連続で50%を大幅に下回っている。

さらに、物価指標そのものを見てもデフレ脱却は心もとない。まず、8月の「生鮮食品を除く消費者物価指数総合」は、前年同月比0.3%上昇と、7月の0.2%上昇から上昇幅を高めた。だが、基準改定とともに新たに公表されるようになった「食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合指数」は、前年比で0.4%下落し、8カ月連続のマイナスとなった。しかも、8月の下落率は、7月の0.3%低下より0.1ポイント下落幅を拡大している。

また、「付加価値の物価」を表すGDPデフレータは、最新の4〜6月期で、前年同月比0.8%の下落となっており、相変わらず物価下落が続いている。

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