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マネックス・ユニバーシティ社長 内藤 忍さんに聞く(2)

2006年10月17日

(聞き手:大沢 玲子=フリーライター)

(前回記事はこちら

今回はビジネス編。仕事への取り組み方についてお送りします。

価格だけでは勝てない

ビジネスのルールは時代と共に変化します。その変化を早く見つけ出し迅速に対応することが成功の条件になります。デフレからインフレへの転換によって消費者の意識には大きな変化が起こっています。極度の価格志向がピークアウトし、価格の低さよりも品質を求めるように嗜好(しこう)が変化してきているのです。安売りが無くなるわけではありませんが、100円ショップは低価格戦略を見直し、マクドナルドも「65円ハンバーガー」の販売戦略を見直しました。価格だけで勝負してきた企業は方向転換を始めました。

つまり、価値を価格に転嫁できる環境になってきたということです。象徴的なのは伊勢丹メンズ館の成功です。男性のファッションでも「高いお金を払ってもいいから、良いものが欲しい」というニーズが高まってきたことをたくみにとらえて、ビジネスを成功させました。

価格競争から品質・感度競争へのこのようなシフトは、これから数年間は続くと思います。ビジネスパーソンはそのような環境において、自分の価値をどのように高めビジネスで結果を出していくかの戦略を練る必要があります。

2極化するビジネス

資本主義の市場競争で勝ち抜く方法は、価格による差別化か製品による差別化のいずれかしかありません。価格競争での勝負が終わったということは、製品の差別化によっていかに競争相手と戦うかが重要になってくるわけです。価格より品質、センスを重視する消費者の出現はビジネスを2極化させます。これは個人のビジネススキルでも同じことが言えると思います。

具体例で説明していきましょう。私の会社では、投資に関するセミナーや講演会を企画しています。例えばベストセラーとなったビジネス書を書いたある講師の方は、講演料が85万円です。「講演料は一切割引しない」という強気の価格設定ですが、それでも講演依頼が殺到しているようです。一方、「講演料は無料でもやりたい」という講師も存在します。その違いは、一点ものとコモディティ(消費財)との違いです。だれでも代替のきく講演者はコモディティになってしまっているのです。

レストランやケーキショップなどでも同じ動きがあります。カリスマシェフがいるお店では、予約が取れない状態が珍しくありません。私の会社がある京橋のイデミ スギノというパティシエショップは、開店前から店頭に行列ができ、ケーキを手に入れるのも一苦労という人気ショップです。高価格にもかかわらず、「ここのケーキを食べてみたい」というお客さんが全国からわざわざ集まってくるのです。

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