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「フレッシュ・アンド・ブラッド」
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グループの形態を中心メンバー3人+セッションメンに定めたロキシーは、さらに深みを増した8作目「フレッシュ・アンド・ブラッド」を80年に発表する。まず驚くのはシャープで奥行きある音像だが、これはニューヨークのパワー・ステイションにおけるボブ・クリアマウンテンのミックス手腕が存分に発揮された結果。セッションメンは英米混合で、ドラマーのクレディットにはアラン・シュウォーツバーグやアンディ・ニューマークの名もある。ものすごくスタイリッシュに洗練されたロック・サウンド。AORやフュージョンに流れていかないのは、全体を覆うイギリス(ヨーロッパ)的な翳りのせいだろう。そこが素晴らしい。

「アヴァロン」
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アメリカでの成功も手にした前作の手法を踏襲・発展させたのが、ロック史に残る不滅の名盤と言ってもいい82年の9作目「アヴァロン」。これはまた、アナログ・レコード史上、もっとも音がいいLPでもあった。録音はバハマのコンパス・ポイント・スタジオ、ミックスがパワー・ステイションでクリアマウンテンとくれば、これはもう水戸黄門の印籠のようなもの。スピーカーの前に、ものすごい音空間が現出する。内容的にはケルト伝説をモティーフにしたアルバムだが、プログレふうなサウンドには流れず、16ビートに神経を払った繊細なアレンジや丁寧なミックスによるクォリティの高さには、ただただ脱帽。“成熟”というのは、こういう音楽を前にしたときに使う言葉なんですね。

「ハート・スティル・ビーティング」
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この傑作発表後のワールド・トゥアーを最後にロキシーは再び解散するが、間に83年の4曲入りミニ・ライヴ・アルバムを挟み、なんと90年になってリリースされたのが、10作目にあたる「ハート・スティル・ビーティング」。これは「アヴァロン」発表後のトゥアーの模様を収めたライヴCDで、ミニ・アルバムの続編とも言える内容だった。スタジオ作のような精緻なサウンドは望めないが、代わりにフェリーの汗だくで艶めかしい個性が浮き彫りに。後期の作品を中心としたベスト的な選曲で、トゥアー・メンバーのドラマーはアンディ・ニューマークでした。

なお、彼らのアルバムは、かつて紙ジャケCDで発売されていましたが、現在は廃盤。しかし、ディスクユニオンが<紙ジャケ復刻プロジェクト2005>第3弾として、9月17日と24日の2回に分けて限定発売します。17日は1〜5作目、24日は6〜10作目というラインナップで、しかも5枚まとめてお買上げの方のみ豪華特典付き。17日の5枚には紙ジャケ収納“For Your Pleasure BOX”と復刻ミニチュア帯、24日の5枚には紙ジャケ収納“Avalon BOX”と復刻ミニチュア帯、という内容です。特典は先着ですので、なくなりしだい終了となります。どうぞ、ご予約はお早めに。

大竹 直樹

1976年から株式会社ニューミュージック・マガジン→ミュージック・マガジン勤務。月刊「ミュージック・マガジン」編集長、季刊「ノイズ」編集長、制作部長などを歴任し、2001年に退社。現在は、株式会社ディスクユニオンでロック&ポップ担当マーチャンダイザー。音楽は単なる嗜好品ではなく文化だ、という考えは絶対に譲らず、ロック半可通との会話では情け容赦ない頑固者でもある。ふだんは明るく柔和な酒好きで、元気当たり前!

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