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がんばれ! iTunes Music Store、日本のネット配信に革命起こせ

2005年8月12日

米国での開始から2年。ようやく、世界最大のネット音楽配信サービスiTunes Music Store(以下iTMS)が日本に上陸した。日本は20番目の開店。開店がこれほど遅れたのは日本独特の音楽業界のしきたりに縛られたからだ。しかも、配信料は米国の99セント一律料金を上回る1曲150円か200円。これまで300円程度でネット配信されることが多かった日本で、この値段は「価格破壊」と言える。しかし、欧米との価格格差は日本の音楽業界を形成する重層的な高コスト体質を反映させる形となった。

IT先進国のはずが最後発に

アップルは米国でiTunes Music Storeを2003年4月28日開始して以来、日本でも展開を図ろうと着々と準備を進めていた。しかし、日本では欧米と異なり、レコード会社との契約のみでは配信できないハードルがいくつもあった。結果的に既に世界19カ国でサービスを展開しているなかで最後発となった。

日本の著作権法には実演家やレコード制作者、放送事業者を保護するため、著作隣接権(米国にはない)がある。この中の送信可能化権はサーバーに楽曲を置くことを認めるか否かの権利で、これをクリアするための方策を用意しなければ、先には進めなかった。さらに、これまた日本独特の「CDレンタル」の存在だ。実演家はレコードレンタルを容認する代わりに、報酬を求めることができる。ネット音楽配信サービスはこの流れを縮小、あるいは破壊するかも知れないという危惧があり、減収を補うだけの価格設定を求められた。さらに作詞・作曲の著作権料はJASRAC(日本音楽著作権協会)が管理・徴収し、著作権者に配分するという仕組みも日本独特。iTMSにはこのスキームをシステムに組込む必要があった。

こうしてさまざまな要求を突きつけられながらも何とかスタートしたiTMSは楽曲により150円か200円という値付けとなった。この値段は日本国内のネット音楽配信サービスの中ではよくがんばった方だ。これまで、国内でサービスしていた配信サービスの多くは300円程度だったから、曲によっては一気に半額になった。これに押され、既存の配信サービスはiTMSスタート以降、大幅に値下げするところが続出した。

レーベルゲートが運営する最大手のMora(モーラ)を始め、オリコンの「ORICON STYLE」、USENの「OnGen Music SERVER」、リッスンジャパンの「Listen Music Store」、ヤフーの「Yahoo!ミュージックダウンロード」などが軒並み150円〜200円の価格帯に値下げした。それまで、200円から300円程度で配信されていたものがぐんと安くなった。iTMSが日本の音楽配信ビジネスに風穴を開けたことになる。

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