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アクシデントを乗り越えてより高い領域へ。 PGAツアーの環境に順応してくるほど、よりストイックに自分の肉体改造をし、食事を節制し、練習を繰り返すようになった。そんな変化を加速させたもうひとつのきっかけは、一昨年の首痛というアクシデントだったことは言うまでもない。首の故障が左手小指まで影響し、クラブを握ることすらできなくなっていた。選手生命が途絶える危機だった。 ![]() 「モノを持っている感覚が薄くなってきて、何も感じない。そんな経験は初めてだった。それが治療を丹念にして、ボディケアをしていくうちに、あ、痛くない、自由に振れる。そんな当たり前のことが、幸せに感じたわけです。ボギー1個、ダボが1個くらい、そのことを思えばぜんぜん気にならない。もしかしたら、一生、ゴルフができなかったかもしれない。だから、今自分がここにいられることは、僕は世の中から選ばれた人間の一人だって思ったんです」 丸山茂樹は、どんどん成長していった。その成長度を、実は、すぐにでも成績として見てもらいたいという気持ちが強くあった。昨シーズン、全米オープンで優勝争いをして、惜しくも4位になるなど、自分としては満足感のあるシーズンだった。でも、現実に優勝は逃がしている。 「自分としては、大満足だけれど、でも応援してくれている人たちにとっては、やっぱり優勝の二文字を期待している。なんとかその期待を裏切りたくない」 そんな気持ちもあった。今年のマスターズの戦いぶりを見ていると、その逸る気持ちが逆に、自分のゴルフをさせてくれなかったゲームだったと思う。自分では、上位に食い込み、優勝争いをしていいほどのショットやパッティングの内容が丸山茂樹という人間の片方に存在しているのに、もう一方では、結果として結び付けられない現実が存在した。その両極の間で、丸山の心情が揺れ動いたのだと思う。今シーズン前半の丸山のゴルフは、まさにそんな自己との格闘だった。 成長すればするほど、悩みが多くなる。その階段を丁寧に昇っていくことで、もうひとつ別の、高みの領域に到達する。今丸山は、その階段を昇ろうとしているのだろう。 「トップクラスに行きたいと思っている人間はやまほどいるんですよ。ぼくもその一人だと思っています。無理だと思っていても、必ずチャンスがくるんだと思ってないと、ゴルフはやっていられないし、こういう仕事はできないと思います」 丸山は、きっぱりとそう語った。 ![]() 前半の記事 ボロボロになっても、アメリカでやるって決めたんです。<前半> |
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