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神戸ゴルフ倶楽部-第1回「3世紀を生きるクラブライフ」
アーサー・グルームが六甲山に別荘を建てたのは明治28年。その跡地にはひっそりと石碑だけが残されている。
18番グリーンを見下ろすように造られたテラス。晴れた日には神戸から遠く大阪までが見渡せる。

 明治34年に開場した神戸ゴルフ倶楽部の活動は、4月15日から11月15日までの7ヶ月間に限られている。そしてその7ヶ月の短いシーズン中はほぼ毎週末、何がしかのコンペが開かれている。歓声は、故岡橋泰一郎・前理事長を記念したレディスの部のプレーオフが最終18番でも決着がつかず、再び1番からのサドンデスに持ち込まれたからだった。昭和7年に建てられたテラスで、ジョッキを片手に会員たちが観戦を決め込んでいた。夫人たちの笑い声に振り返るロマンスグレー、籐椅子に身を沈め静かに霞を見下ろしている人……。

 「私たちのクラブの特色といえば、こうした家族的な雰囲気でしょうね。子供たちにもこうした雰囲気を受け継いでほしいという方が多いようです」

 神戸ゴルフ倶楽部理事長、高畑宗一さんも、祖父の代からの3代目の会員。現在の会員数は約600名で、初めは神戸在住の外国人倶楽部だった組織も50年前にはその数は約1割に減り、現在では10名ほどだという。

 「おかしな話かもしれませんが、ゴルフが巧いという方はあまりお入りにならない。入っても面白くないのかもしれませんね。ここは距離も短いですし」

理事長の高畑宗一さんは祖父の代から3代目の会員。子どもの頃から慣れ親しんだこのコースには、特別な思いがあるという

 トータル4019ヤード、パー61。サンドグリーンだった名残りか、グリーンは小さく円形にまとめられ、谷越えあり打ち上げあり、11番ホールの山越えは丘の頂上の木が真下で待ち受けるグリーンの目標になっている。明治40年(1907年)から18ホールになり、そのときから基本的なレイアウトが変わらないのは、土台が六甲山という動かしがたい自然だったからだ。その土台に、神戸ゴルフ倶楽部は根を張り続けている。

 「競技用のコースではない、かといって決してレジャー用のコースでもない。アップダウンに富んで、トリッキーですし、技術がいるコースです。ゴルフそのものより雰囲気でしょうね。いまでも、食事だけして帰る人もいらっしゃる。きっとグルームさんは、昔と変わらんな、そうおっしゃるかと思います」

次回「神戸開港で設立された 外国商人たちのクラブ」につづく
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