|
||||||||||
|
うまくなりたかったら先輩を見て学ぶ
WG おふたりは長らく日本のトップアマチュアとしてプレーしてこられていますが、どこかの時点でプロになろう、あるいはなりたかったと考えたということはなかったんですか? 阪田 僕の場合、ゴルフを始めたきっかけが「プロになる」という目標を持ったことではありませんでしたからね。それに、僕が日本アマに初出場した1970年は、ジャンボ尾崎がプロデビューした年です。プロトーナメントも、まだそれほどなかった時代ですから、ゴルフを職業にするような考えも持ちにくかったと思います。もし大学を卒業する時に、毎週プロトーナメントが開催されているような時代になっていたとしたら、「プロになる」という選択肢はあったかもしれませんけれどもね。 尾家 逆に僕の頃には、すでにそういう時代を迎えてはいましたが、学生時代は中途半端にゴルフをやっていましたから(笑)。プロになろうなんておこがましいでしょう。学生時代には周囲にすごい選手がたくさんいましたからね。日大の4年先輩に倉本さんがいたし、その3年下に湯原さん、同年代の専修大学には羽川さん。もちろん、ここにいる阪田哲男さんなど、アマチュアの先輩たちの「オーラ」が強すぎたんですよ。 阪田 うまくなるには、先輩たちを見て学ぶしかなかったわけです。 鍋島直要さん(*1)、中部さん(*2)なんかとご一緒させてもらって、何かを吸収する。もちろん直接、言葉で細かく教えてはくれませんよ。でも、一緒に回っているときに、一言二言、ちょっとしたことを話してくれる。それが大きなヒントになるんですね。僕らにしてみれば「雲の上」の憧れの人ばかり。ゴルフだけでなく、何から何まで真似しようと思いましたよ。
尾家 僕も同じです。ああ、ソックスは黒いのをはくんだなあとか(笑)、憧れの気持ちで見てましたよね。 阪田 そうそう、服装のことやなんかもね。大学を卒業後、東京に出てきてからは、鍋島さんにさまざまなことを教わりましたが、一番教えられたのは「食事の仕方」でした。 尾家 確かにいろんな意味で、マナーがしっかりできていないとコースには連れていってもらえないという環境でしたよね。 阪田 ゴルフを始めるというと、まずエチケットやマナーを徹底的に仕込まれたものなんです。僕は14歳で始めたんですが、本コース(18ホールズ)で初めてプレーしたのは、練習場やミニコース(9ホールズ)でボールを打つ練習をみっちり2年間やってからのことでした。 尾家 そういう先輩たちの「カッコよさ」を真似することで、自分を成長させてきたのだと思います。中部さんは朝一番のティアップから、最終18番のラストショットまで、一度も素振りをしない、とか(笑)。独特のダンディズムというか、スタイルを崩さなかった。それが何ともカッコいいんです。 阪田 今のジュニア世代のゴルファーにとって、プロが憧れの的なんでしょうが、その意味でプロゴルファーは、その憧れに値する「カッコいい存在」であってほしいですよね。 尾家 ただ、日本の場合、プロの競技者としてのアピールはできても、トーナメントの前後、つまりひとりのゴルファーとしての人間性を示す場が少なすぎるような気がします。 阪田 プロとアマの違いは、単純にゴルフを職業としているかどうかだけです。でも、プロは「職人」に徹すればいいと考えるのではなく、もっとゴルファーとして洗練されていて然るべきだと思うんですよ。もともとゴルフはプロもアマも、同じ道具とコースを使って競技するわけで、境目なんてないんです。プロを目指して一生懸命頑張るのは立派なことですが、ゴルフ本来の素晴らしさ、奥深さを学んでほしい。昔は、アマあってのプロといわれましたが、今は反対にプロあってのアマという状態のような気がします。僕はそのどちらであってもいけないと思う。アマもプロも同じゴルファーなんだ、という時代になってほしいと思いますね。 |
|
|||||||||