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憧れのヒーローからの祝福
「これなら、中嶋さんにみっともないゴルフを見せなくて済むぞって、胸をなでおろしてもいました」 決勝ラウンドの2日間、同じ組で回り、優勝を争った中嶋は、高橋にとっての憧れの選手だった。福岡に生まれ、12歳でゴルフを始めたとき、中嶋は日本オープンをはじめ年間6勝を挙げて2年連続賞金王に輝いた時期だった。 「連続写真を切り抜いて下敷きに入れて持ち歩いていました。そのあとは、中嶋さんが愛用していたTN87というアイアンが欲しくて、欲しくて。まぎれもなく僕のヒーローでした。その中嶋さんと、最終日最終組で優勝争い。こんなチャンスは、この先、何度もあることじゃないと思ったら、それもプレッシャーになっていました。それやこれやが、あの1打で消えてしまったのです。さらにドライバーショットまでよくなって、ラフに入れたのは12番の一回だけ。安心して振り切れました」 最終18番のティショットをフェアウェイに打ち出すと、中嶋が声をかけてくれたという。 「おめでとう。お前のショットには脱帽だ」
18番グリーンでは3パットしたものの、2位の平塚哲二に3打差をつけての逃げ切り優勝。見守っていた葉月夫人にウィニングボールをプレゼント? いや、ギャラリーの中に投げ入れてしまった。夫人には、この優勝によって高橋が手に入れた賞金3000万円と5年間のシード権、さらに8月のWGCブリヂストン招待(オハイオ州ファイヤストンCC)への出場権の方が大きなプレゼントだっただろう。オハイオ州へは、夫人を同伴するという。 「初優勝は、勢いで突っ走れました。2勝目は、緊張の中で自分がどういう状態になるのかを自覚させられながら長い時間をかけてつかんだ実感があります。次の優勝には、何が待っているのか。ぜひ、それを知りたいし、またどこか違った自分を妻に見せたい。それが成長と妻の目に映ればうれしい」 夫人へのプレゼントは、まだまだ続きそうだ。
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