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クラブ変遷と時代を築いた名手の系譜
名手の系譜
文●塩原義雄
写真●張替剛/AFLO

2006/06/14

 クラブが先か、技術が先か。パーシモンヘッド+スチールシャフトのドライバーが全盛だったころ、それぞれの時代に名器と称されるクラブがあり、それらを巧みに使いこなす名手たちがいた。メタルヘッドがパーシモンにとってかわると、スウィングにも技術改良を求められるようになり、チタンヘッド時代はメタルでゴルフを覚えた世代が台頭してくる。そして、これからのトレンドは460ccの大型ヘッドになろうとしている。クラブは、どんなゴルファーを、そして、どんなスウィングを求めようとしているのか——。

名手が名器を選んだのか、
名器が使い手を選んだのか——ビッグ3の時代
MacGregor Tommy Armour 945 MacGregor Tourney M85
MacGregor Tommy Armour 945 (1953~57) MacGregor Tourney M85 (1952~56)

 A・パーマー、J・ニクラス、G・プレーヤーが米ツアーでBIG3と称された時代。マネジメント契約を結んだM・マコーマックのIMGによって、米ツアーばかりでなく、世界規模で3選手によるイベントが催された。日本でも東京よみうりCCにそろって姿を見せ、三者三様の世界の技術とパワー、スピードの戦いを披露した。

 彼らが去って……残していったものがあった。BIG3の呼称である。

 1960年代の後半、日本では杉本英世、安田春雄、河野高明がツアーを席巻しようとしていた。パワーの杉本、スピードと切れの安田、ワザの河野。持ち味は三者三様だった。そこで当時のマスコミは、この3人に「和製ビッグ3」の名称を与えた。杉本はニクラス、安田はパーマー、河野はプレーヤー……それぞれの体格とゴルフのスタイルをダブらせたのであろう。ストレートなビッグボールを打つ杉本はマグレガー、強いドローボールを持ち球にする安田はウイルソン、フェードボールの河野はベン・ホーガンと愛用するドライバーもまた三者三様であった。彼らはそれを道具というより、自らの体の一部であるかのように自在に操っていた。

 杉本には、ドライバーに関して悔しい思い出がある。練習中にシャフトが折れてしまったのだ。ステップの細かいトゥルーテンパーのスチールシャフト。粘りと弾き感がスウィングとのタイミングにピッタリだった。ヘッドも傷んできていたため、杉本は新しいドライバーに切り替えることにしたが、どれを手にしても違和感がある。わざわざアメリカまで買い求めに行ったが、愛用してきたドライバーに替わるものはひとつとしてなかった。職人の手作りであったため、1本ずつが微妙に異なる。以来、ティに立つときに不安がつきまとうようになったと杉本はいう。ちょうど尾崎将司が華々しくデビューした頃の話である。

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