|
||||||||||||
|
T・ウッズを振り切り、M・キャンベルの初優勝で幕を閉じた今年の全米オープン。試合展開に加え、過酷なコースセッティングもひとつのドラマを演出してくれた。アンダー合戦が当たり前のツアー界で、優勝スコアがイーブンパーだったことが、なによりの証明だろう。それにしても、なぜUSGAは世界のトッププロをもあれほどまでに苦しめるサディスティックなコース設定をするのだろうか? 全英、全米両オープンの競技委員を務める川田太三氏が、その答えを出してくれた。 チャンピオンとその他の選手を区別したい
今年も全米、全英両オープンの競技委員として、パインハーストNO.2コース、そしてセントアンドリュースと大舞台の黒子を務めさせてもらった。競技委員を依頼されて4年になるが、USGAの過酷なコースセッティングに関しては、マスコミや友人たちから、何度も同じような質問を受けた。いい機会だから誌面をお借りして、回答したい。
実は、日本ばかりでなく、米国のゴルフ記者からもUSGAに対して同様の質問があった。02年、私が初めて競技委員としてスタッフに参加したニューヨークのベスペイジ・ブラックコースでのことだった。当時のUSGAリード・マッケンジー会長は、短い言葉で答えた。 「我々は、ただチャンピオンとその他の選手(2位以下)を区別したいだけなんだ。これは全米オープンの基本姿勢として、代々受け継がれてきたものだと理解していただきたい」 このやりとりには、補足説明が必要だろう。選手層が厚くなり、技術や道具の進化で高いレベルの戦いになったとき、どうすれば、その区別をつけられるのであろうか。現在、USGAはもちろん、JGAでもハンディキャップ表示は小数点以下1ケタまでとなっている。例えば12.4とか2.8といった具合だ。なぜ小数点以下の数字まで必要なのか。そこに同会長が口にした「区別」の意味をとくカギがある。 手元に今年の全米オープンの公式スコアカードがあったので、誌面に載せてもらった。18ホールのパーが並び、その下にマーカーから自分のスコアを記入してもらうようになっている。別に他のトーナメントと違いはしないのだが、記入されるスコアはただの整数で「3」とか「4」とか「5」といった数字が並ぶことになる。どういう「3」だったのか、「4」だったのかは、スコアカードからでは読み取れない。 1打をもっと細分化していけば、より微妙な区別ができるだろう。それがUSGAの考え方である。 |
|
|||||||||||