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ゴルフが難しいのは、スウィングの山と、もうひとつゲームの山を極めていかなければならないことだ。スウィングだけ上達しても、それでスコアがメキメキよくなるわけではない。もうひとつゲームの山、つまりゲームマネージメント、心の作用をコントロールしていかなければ、スコアに結びつかない。 そしてスウィング自体も、その心の作用によって、成否の別れ目が大きく変わる。どうしても1回で決めたかった3メートルほどのパッティング。そのとき僕は、どうしても入れたいという気持ちから、キャディさんに、ラインを聞いた。すると中部銀次郎さんに「そんなこと他人に聞くなよ。自分で判断しなければ、いつまで経っても人に頼ることになる。そうなったら自分のゴルフの尺度が見つけられないよ」と言われた。僕は、自分でラインを読み、それを信じてアドレスに入った。ストロークした。ボールがカップに向かって行った。ラインどおりだった。途中までは……。最後の最後で、右に切れた。 「迷ったぶんだけ曲がったね。迷うとボールは曲がるんだよ」と中部さんが言った。 僕の心の作用を、まるで透視していたように言った。確かに僕は迷った。アドレスして、いざストロークしようとする直前に、迷ったのだ。 決意精彩……。意思がしっかりとしていて澱みがないときは、その周辺の空気までもが美しく輝いている。生き生きと元気が溢れている。けれども迷いがあるときは、空気も澱んでしまうものだ。 高純度の精神コントロールと肉体(筋肉)の融合……というジョーンズの言葉は、ゴルフ上達の究極なのだろう。 新しい年を迎えて、今年こそ決意精彩。清浄なる心で1打を放つ心構えを目指して、一期一打と出逢うことにしよう。
みたむら しょうほう●立正大学仏教学部卒業。ゴルフ週刊誌副編集長を経て、1977年フリーランスのゴルフジャーナリストとなる。国内外のトーナメント取材経験が豊富で、4大メジャーは26年連続で現地取材を続けるベテラン。95年米国でスポーツライター・ホールオブフェイム、96年第1回ジョニーウォーカー・ゴルフジャーナリスト賞優秀記事賞を受賞。主な著書に「タイガー・ウッズ—伝説の序章(青山出版社)」「伝説創生—タイガー・ウッズ神童の旅立ち(中央公論社)」など。
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