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One Voice
第4回 清浄なる心で一打を放つ
文●三田村昌鳳
写真●宮本卓

2006/04/12

 球聖ボビー・ジョーンズがエスクァイアの創刊号で特別手記を載せていた。ちょうどジョーンズが、競技ゴルフを退いた直後だったと思う。

 その中で「ゴルフのストローク(ショット)は、高純度の精神コントロールと肉体(筋肉)が、うまく溶け込むことによって成立する。もっとも肉体は日頃の鍛練、繰り返しスウィングの練習をするということが行き届いていれば、とりたてて問題にすることはない」と語っている。

 そして、最も重要なのはメンタル面であり、心の作用がゲームに大きく左右すると語っている。

 「精神的動揺が、肉体(筋肉)にどれほど影響を及ぼすか計り知れないものがある。たとえば、こんな経験をしたことはないだろうか。ショットするときに、バンカーが視野にちらついて気になるのと、そうでない場合とのショットの成否、また、ロングパットで、一瞬入りそうだと思うときと、入らないかも知れないと不安がよぎる場合との結果の違い。それはドライバーも同じだ。意識的に狙う方向を絞って打つショットと、ともかくフェアウェイに落としておこうとさらりと打つ、その違いについて、きっと後者のほうがまっすぐ飛ぶはずだ」

 久しぶりにゴルフにでかけると、スタートホールのティグラウンドで決まって「当たるだろうか」と不安がよぎる。どうしてもちゃんと当たらないというイメージが先に立つ。そんなときに僕は、呪文のようにサム・スニードから聞いた言葉を思い浮かべることにしている。それは僕がまだ新米記者だった1972年頃にスニードに聞いた言葉だ。

 僕が、どうしたら貴方のように美しいナチュラルスウィングができるんですか?と質問すると、スニードは「私がスウィングするだろう?するとたまたまボールがその軌道の中にあって当たっていくんだよ」と答えた。そのときは、新米記者の僕の愚問は、うまくかわされたのだと思った。でも、年月が経つにつれてそれは極意なのだと思えるようになった。

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