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ゴルフゲームは、自分の心を映し出す。心のどこかにゆとりがなければ、逆に身動きできなくなるほど、難解で不思議なものはない。割り切れない部分、思うようにいかない部分が、無尽に潜んでいるから、心のゆとりがなければいけないんだ、と閃いた。僕のゴルフは、この出来事以来、いたって愉しくなった。 パサティエンポという言葉がついたゴルフコースが、カリフォルニアにある。本来の意味は、趣味、気軽な、気晴らしという意味合いなのだけれど、僕は、この言葉が好きで、ゴルフに於いては、拡大解釈をして、ゆとり、余裕、あるいは、心の広さという意味合いまで広げて、いつもパサティエンポでプレーできたら、と思っている。 話は変わるけれど、1978年。中部銀次郎さんが「ゴルフをするときは、胸を張ってフェアウェイを歩きなさい」と言った。それは、うつむき加減で歩いていても、決していいプレーはできない、ということだ。愉しいときにも、辛いときにも、胸を張ってフェアウェイを歩けば、ゴルフは愉しいという意味だった。 この言葉を、最初に中部さんが言った相手がいる。ゴルフがうまくいかないで、少し落ち込んでいた青木功プロだった。 「プロなんだから、もっと胸を張って、堂々と歩きなよ」という一言で、青木功プロのゴルフに大きな変化をもたらした。 「决然闊歩のゴルフ」——それは、心の余裕なのだと思う。
みたむら しょうほう●立正大学仏教学部卒業。ゴルフ週刊誌副編集長を経て、1977年フリーランスのゴルフジャーナリストとなる。国内外のトーナメント取材経験が豊富で、4大メジャーは26年連続で現地取材を続けるベテラン。95年米国でスポーツライター・ホールオブフェイム、96年第1回ジョニーウォーカー・ゴルフジャーナリスト賞優秀記事賞を受賞。主な著書に「タイガー・ウッズ—伝説の序章(青山出版社)」「伝説創生—タイガー・ウッズ神童の旅立ち(中央公論社)」など。
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