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ボビー・ジョーンズという名前は、私が小学校の頃に、親父から「ボビー・ジョーンズというアマチュアで世界一うまい人がいる」ということと、話の中や本の中で知っていた。そして、世界アマのときに、メリオンのコースで会った。そのときはジョーンズはすでに引退し、車椅子での生活を送っていた。私がジョーンズの姿を見て涙したのは、言わばゴルフ人生のゴールを極めた人というその事実と姿だったのだ。 しかし、ニクラスは違っていた。目の前で信じられないようなゴルフを、ポンポンと見せつけられたのだ。これでもか、これでもかという風に……。 まず驚いたのは、その巨体である。それをまのあたりにしたとき、正直「かなわない」と脱帽し、敗戦を認めざるをえなかったことである。18歳の私は、身長が1メートル55センチ。体重が55キロ。いったいニクラスは、どのくらいあったろうか。背は、1メートル80センチを軽くオーバーし、体重も凄かった。ニクラスは“太っちょ”といわれ、オハイオの白熊と言われていたのである。 ロング・ホールでも私が一生懸命3オンを果たそうとしているのに、ニクラウスは、ドライバー、ロング・アイアンで軽く2オンさせてしまう。 そして通算11アンダーでトップの成績を出す。そのスケールの大きさを見て、かなわないと思うのが当り前であろう。 アメリカという国。その中のゴルフだけを取り沙汰してみても、その土壌の違いを、まざまざと見せつけられたのだった。何もかも違う。ニクラスをはじめとして、ディーン・ビーマン、そしてほかのアマチュア・ゴルファーたちも、その精神もゴルフも、大きなスケールでホンモノを持っているな、という匂いがぷんぷんしたのだった。
そして、コースの難しさ、ニクラウスの恐ろしいほどの強さ、ボビー・ジョーンズとの出会い。メリオン・コースのイラストに2人のサインが書かれた記念すべき1枚のシートを、今も大切に私は、もっているのである。 |
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