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バルヂ
2005/11/11

 ドライバーのフェース面を見ていただきたい。そこには、トゥからヒール方向にわずかな丸みが付けられているはずだ。この丸みのことを「バルヂ」と呼ぶ。この「バルヂ」という語源は、樽などの胴部分の膨らみを「バルヂ」と呼び、その丸みをイメージさせることから、この名がついたといわれている。

慣性モーメント この「バルヂ」が生まれた歴史は非常に古い。1860年代、これまでの鳥の羽で作ったフェザリーボールに替わって、ゴム系のガタパチャーボールが大きく普及してくると木単体で作られ、フェースインサートのなかった当時のクラブでは、クラブフェースの消耗は著しかった。

 そこで、フェース面における力の分散と強度面の向上からフェース面を平らにせず、丸みを付けてみた。すると、フェース面の消耗は大きく解消されるとともに、新たな効果を発見するに至ったのだ。それが、打点のバラツキに対しても、方向性を修正する機能であったのだ。

 ヘッド内部には目には見えないが重心点が存在する。スイートスポットでヒットすればスイングによるクラブヘッドのエネルギーはロスすることなくボールへ伝達していく。

 しかし、トゥやヒール方向に打点がブレた時、重心を起点にクラブのフェースはトゥ側に当たれば開き、ヒール側に当たれば閉じる動きが生まれることになる。

 この時、フェースが平らであるとボールはそのフェースが向いた方向に飛び出し、目標方向を大きく外れてしまう。しかし、フェース面に「バルジ」という丸みがあるとボールとフェースとの間には、歯車と同じ原理でトゥ側へのフェースの開きに対してはボールに右回転が掛かり、ヒール側へのフェースが閉じる動きにはボールに右回転が掛かる働きが生まれてくる。

 つまり、ミスショットによる方向性のブレをフェース面の丸みがボールとの間にギア効果を発生させることで、右や左に飛び出しても目標方向へ戻る機能を生み出すことに繋がっていったのである。現在は、科学的に立証されているこの「バルヂ」の効果であるが、その源は偶然の産物であったのである。

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