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潮流を生み出した先駆者達
35年前に現在の礎を築いたキャビティアイアンの元祖
2005/08/05
ピン・アイアン 〈ピンゴルフ〉

 今やアイアン構造のベーシックとなっているキャビティ構造。バックフェース側を大きく抉るように掘り込んだ形状は、アイアンの性能を大きく変化させてきた。

ピン・アイアン


 そのキャビティアイアンの元祖といえば、ピンのアイアンをおいて他にはない。

 ピンのアイアンが誕生したのは、今から35年以上も前の1969年。ピンの創設者、カーステン・ソルハイムが「カーステン1」というアイアンを発表したことがその発端だ。

 そもそも、ピンのアイアンにおける開発コンセプトは、カーステン・ソルハイムが、自分のために制作したパターと大きな共通性を持っている。

 カーステン・ソルハイムは、ゼネラル・エレクトリック社でエンジニアをしていた当時にゴルフを始めた。

 L字型と呼ばれるパターが当時の主流で、芯は非常に小さく打点がブレると、方向性や転がりが極端に悪くなり、パット数が減らないことが悩みの種であった。

 そこで、多少のミスには寛容で、尚且つまっすぐに転がるパターはできないものかと考え、図面を引いていく。

 そして、ヘッドの中央を抉り、ヘッドのトゥとヒールにそのウェイトを配分したパターを作ったのだ。これこそが、今も各社のパターデザインの基本となっている「ピン型パター」と称されるスタートだったのだ。

 その形状は箱型で、シャフトは中央に取り付けられ、ソールにはスリットが入っていた。そして、打った時に“ピーン”と音を立て、その音の強弱で力加減を知らせてくれるパターであった。

 「ピン」というブランドの由来も、今でも続くトゥ&ヒールウェイトによる重量配分も、カーステン・ソルハイムが、自分のパット数を減らす目的で作ったこのパターから全ては始まっていたのだ。

 このパターは、ゴルフ仲間からも扱いやすさと方向安定性が評判となり、プロからも制作が依頼されるようになると1967年に会社を興し、パターの販売をスタートさせる。

 そして、そのトゥ&ヒールウェイトのコンセプトをアイアンにも採用し、69年に発売したのが「カーステン1」だったのだ。

 パターで培われた設計コンセプトを継承し、バックフェースに大きな凹みを持ち、重量をトゥとヒールに配分させた大胆な設計を取り入れた「カーステン1」は、当時、アイアンといえば、コンベンショナルモデルと呼ばれるモデルばかりであった中で、突如として現れたまさに異端児で、どのアイアンとも決して同じ雰囲気は持っていなかった。

 だが、このアイアンは、芯を外しても方向性に優れ、曲がりが少なく、飛距離も落ちないことが人気を呼び、瞬く間に多くのゴルファーから支持を受けるようになった。

 すると、それまでコンベンショナルモデルばかりを制作、販売していたアメリカの大手メーカー、ウイルソンやマグレガーなどもキャビティバックのアイアンを登場させるようになり、そのコンセプトの優位性をさらに広く認知させていったのだ。

 そして、その後10年の歳月の中で、よりやさしく、完成度を追求した「カーステン」がいくつか制作されたが、1979年には従来のコンセプトを引き継ぎながら、イメージを一新させた「ピン・アイ」を。そして、1982年には全体的なシェイプを一新させた「ピン・アイ2」を発表したのだ。

 世界中で大ヒットを記録した「ピン・アイ2」はヘッドが大型化され、キャビティ部分が非常に大きく、しかも深く設計されており、これまでトゥとヒール方向に対して重量配分が行われていたものを上下に対しても行うことで、スイートエリアを拡大。キャビティアイアンとしてのやさしさの機能を格段に向上させていったのだ。

 さらに、ピン・アイアンの大きな特徴である、ゴルファーごとに違う体型や腕の長さに合わせ、最適なクラブがセレクトできるようカラーコード表示による豊富なライ角のバリエーションを設けることも、キャビティアイアンの元祖となる「カーステン1」からすでに行っており、デザインや機能性の面だけではなく、扱いやすさから実感できるやさしさの追求にも、その先進性を垣間見ることができるのだ。

 「カーステン1」の登場から、35年が経過する今日、このピン・アイアンの数々の形状を真似して作られたアイアンは数知れない。

 時代の常識にとらわれず、常に革新的な視点から、ゴルファーが感じるやさしさを追い求め、ゴルフの楽しさを具現化してきたピン・アイアン。あなたが使用するキャビティアイアンもそのスタートは、ピン・アイアンに繋がっているのだ。

セカンドステージ