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世界のゴルフコース
第12回 サンドパイパー・ゴルフクラブ
文●三田村昌 鳳
写真●宮本 卓

2006/06/28

 「庶民的なペブルビーチ」、そう評されるのが、1972年開場の『サンドパイパー・ゴルフクラブ』だ。確かに豪華さや華やかさはない。しかし、太平洋沿いにレイアウトされたコースからは見事な景観が楽しめ、攻めがいのあるスリリングなホールが続く。手軽にリンクスコースの醍醐味が味わえるのだ。

太平洋と断崖絶壁。風の強い日は要注意
サンドパイパー

 ロサンゼルスから北へ向かって405号線を走らせていくと、2時間ほどでサンタバーバラの街に辿り着く。けれども、もし時間がゆったりとれるならば、海岸沿いの101号線を車で走らせると楽しい。サンタモニカからパシフィックハイウェイ(101号線)を行くと、マリブの海岸を横目に見ながら、映画「ビッグウエンズデー」を思い出しながらのドライブが楽しめる。

 サンタバーバラ近くになると、なんとなく風景が変わっていくのに気がつく。樹木や建物が少し時代を感じさせる風景になるからだ。

サンドパイパー

 そのサンタバーバラのセレブの町、モンテシートには、ザ・バレークラブ・オブ・モンテシートという古いコースがある。名設計家アリスター・マッケンジーのデザイン。カリフォルニア州で彼が設計した11コースの、最も南に位置するコースである。

 サンタバーバラは、古い街で、ハリウッドのスター、監督たちが、ここに住居を構えていることでも有名である。古くはクラーク・ゲーブルや喜劇王のチャップリン。あるいはロナルド・レーガン元大統領などなど、枚挙にいとまがない。またケネディ元大統領が、ハネムーンを過ごしたのもこの地である。

サンドパイパー

 街は、スペイン風でいまも古い風景と自然をそのまま残した雰囲気のままである。

 そのサンタバーバラから101号線を少し北へいく海岸沿いに「サンドパイパー・ゴルフクラブ」がある。

 1972年、設計家ウイリアム・ベルが手がけたパブリック・コースである。よく「庶民的なぺブルビーチ」と評されるのは、クラブハウスも豪華ではないし、メンテナンスも決して最高というわけではないからだ。けれども、逆に言えば、ぺブルビーチに匹敵する何かがあるからだろう。

サンドパイパー

 左ドッグレッグの打ち下ろしで太平洋に向かって攻めていく10番ホール、381ヤード、パー4。さらに224ヤードのパー3は、グリーン近くまで崖越えというスリリングなホールである。これらを含めて5ホールが、太平洋と断崖絶壁で渡り合うホールになっていて、風が強い日には、ボールの行方は風任せという醍醐味がある。

 全長7068ヤード、パー72。コースレートは、74・5とフルバックから攻めがいのあるコースである。アウトの1番ホールは、いきなり524ヤード、パー5、さらに2番ホールは、471ヤード、パー4。さらに3番ホールは、424ヤード、パー4、そして4番ホール、232ヤード、パー3とコースの中でも難度の高い出だしの4ホールを、どうやってうまく切り抜けるかがスコアメイクの鍵となる。

サンドパイパー

 クラブハウス前に大きな練習場があって、ハウス前のテラスでのんびりと過ごす人々や、有名なカリフォルニア州立大サンタバーバラ校(UCSB)のゴルフ部の学生たちが、セルフバッグでプレーしている姿をよく見かける。

 余談だが、このUCSBのキャンパスの中にもビーチがある環境を知れば、このサンタバーバラ周辺の街の匂いが、どういうものなのか想像できるはずである。

 ロサンゼルスを軸に、旅先で少し時間の隙間が取れたなら、このサンタバーバラの街とサンドパイパー・ゴルフクラブを訪ねるといい。都会の喧騒から離れて、懐かしさと安堵感を感じさせる街の風景を味わい、なおかつ手軽にリンクスコースの醍醐味が、ゆったりと味わえる。




セカンドステージ