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小樽からほど近い銭函に9ホールのゴルフコースが誕生したのは、昭和4年のこと。現在の小樽カントリー倶楽部旧コースである。造られた当時のままに残るその姿は、ゴルフ発祥の地、スコットランドを彷佛とさせる本格的なリンクスコース。地形や自然条件だけでなく、歴史の重さがあってこそのことだろう。 過去の栄華の名残りがエキゾチックな雰囲気を醸し出す小樽の街とともに訪ねてみた。 ![]() 絶え間なく吹く海風。うねるフェアウェイ。
80年におよぶ歴史を刻む、北のリンクス。 一葉の写真がある。 セピア色の矩形のなかで、二人の子どもが遊んでいる。おそろいのニッカボッカー姿で子犬のようにゴルフクラブにじゃれついているのだが、背景にゴルフ場らしい山影がなく、そのことがどこかしら寂寥感を醸している。 『父は要するに大変な子煩悩で、フィルムが貴重品になるまでの年月二人の映像を、その一枚一枚に簡潔で気の利いた添え書きをつけて残していてくれた。』 さらにこうも書いている。 『ゴルフ場のフェアウェイの横の小川で夢中になって小魚を追っている兄弟、いずれも何かに熱中している一番子供らしい姿を、父は私たちのためにも確かな目でフィルムに収めていた。』 ![]() 写真集『石原裕次郎・日本人が最も愛した男』より、小樽時代の石原家 しかし、その写真に気の利いた添え書きは見あたらず、わずかに銭函CCとある。銭函カンツリー倶楽部でのスナップなのだ。銭函は札幌と小樽のほぼ中間点に位置している海水浴場である。銭函、銭箱、ゼニバコ……お世辞にもゴルフ場に相応しいとは思えぬ響きだが、それにしても、石原裕次郎が初めてゴルフに接したのがなぜ北海道だったのか。なぜ銭函だったのか……。 |
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