ラーメン屋を始めた動機に「ラーメンが好きだから」と答える店主は多い。各地を食べ歩いて自らが望む味を探し出し、新しい店舗を構える人は、昔から少なくなかった。最近では単にラーメンを食べてきたというだけでなく、インターネットなどで情報交換をしているラーメンフリークからも、自ら店を開店し、繁盛店にしている人も増えている。
1.「花の季」
 |
| 花の季 ばかうまラーメン |
「TVチャンピオン」のラーメン王選手権(第2回)が1992年に放送された。この番組で優勝したのが、この連載にも参加している武内伸氏であるが、彼と決勝を戦った2名がラーメン店を開業し、現在に続く繁盛店にしている。
菊池氏は栃木県宇都宮市に「ばかうまラーメン花の季」を開店。印象的な太麺と、それに負けないだけの素材を集めたスープで、駅から遠く離れた店に行列を作った。サイドメニューの名物「チェンピン」を開発したり、ラーメンの味自体にも改良を続け、2003年からは麺も自家製に変更。随所に存在感があふれるラーメンは、全国区と呼べる味になった。
2.「ぜんや」
一方の飯倉氏はラーメン王選手権出場後も開店の準備をしつつ独学でラーメンを学び、1999年埼玉県新座市に「ぜんや」を開店。メニューは塩ラーメンだけ、1日100食限定でありながら、平日から行列を作る大人気店となった。その後も100食限定を崩さず、常に最良の味を出すことで行列を維持している。
「花の季」「ぜんや」とも駅から遠く、わざわざ行く気にならなければ気づかないかもしれない店だが、自らが信じる味で人気店になるだけでなく、その力を維持している。
3.「はっち」
「年にラーメンを1400杯食べる大学生」として雑誌に紹介されたのが店主の高橋氏である。もちろん食べるだけでなく、インターネットの掲示板でも情報交換を行っていた。
それだけラーメンに惚れ込んだ高橋氏が、横浜の商店街の一角に「すっごいよ」を開店させたのは2000年のこと。大学を休学してまで取り組んだ彼のラーメンは、店名の通りにすごい濃厚スープで、作り手としても皆の度肝を抜いた。
その後川崎に移転して「はっち」という店名に変更。味も、それまでの豚骨ベースから魚出汁、魚粉をブレンドしてインパクト溢れるスープに変わり、駅から近くない場所であるにもかかわらず行列店を生み出した。
4.「渡なべ」
店主の渡辺氏は高校時代から放課後にラーメン店へ立ち寄っていて、大学生になってからは食べ歩きも本格的に。インターネットの掲示板でも積極的に情報交換を行っていた。大学卒業を機に、自分が好きなラーメンを職業にすべく、ラーメン店のプロデュースを始めた。
1軒目の「麺や楽」(神奈川県伊勢原市)が話題になると、本人が店主となり「渡なべ」を高田馬場に開店させた。豚骨魚介系と評される味は、最近の新店のトレンドとも言えるものを作り出した。その後も「ごきげんや」(川越市)や「ぷかぷか」(中目黒)など、数多くのプロデュース店を誕生させたが、その味は様々であり、渡辺氏が食べ歩きで培った引き出しの広さを感じさせる。
5.「亀我楽」
食べ歩きを主にするラーメンフリークもいれば、ラーメンの自作をメインにするラーメンフリークも多い。この店の店主はラーメンを自作する人たちが集まる掲示板で情報交換するだけでなく、自作する人たちの集まりでラーメンを披露していた。
その実力は自作する人たちの中でも定評があったが、聖蹟桜ヶ丘の路地に自分の店を構えたのが2003年。知名度こそ高くないが、その実力は地元で人気浸透ぶりに現れている。
6.「きら星」
そんな中、私がいちばん期待している新店が4月下旬に開店する。店主は、多摩地区を中心にラーメンを食べ歩いてきた星野能宏氏。彼は「TVチャンピオン」ラーメン王選手権(第6回)で、私とともに決勝に出場したほどの実力の持ち主である。大学生だった当時から自分のラーメン店を開店させることを目標にしていて、就職先も素材に直接触れられる食品会社を選んだ。
その後ラーメン店で修行を重ね、自分の名から1文字を入れた「きら星」を武蔵境に開店させることになった。この文章を執筆している時点ではその味は不明だが、若いころから真剣にラーメンと向き合ってきた星野氏のこと、ラーメンシーンにきら星のごとく輝く店に入る活躍をしてくれるものと思う。
7.ラーメンフリークが作るラーメンの特徴
ラーメンフリークによって作られるラーメンが、他の人が作るラーメンと大きく異なるわけではない。ただ、ラーメンの細かな違いを意識するラーメンフリークは、素材や調理法を工夫しながら、少しでも美味しく食べてもらおうとしている。また、ラーメンに様々な美味しさがあることも知っているので、一度作った自分の味に固執するのではなく、さらに良い味を求めて改良していく傾向にある。
さらに、数多くのラーメン店を知っていることは、ラーメン店の厳しさを知っていることでもある。本気でラーメンの道を進む彼らの、そして新たなラーメンフリークによるラーメン店に注目してほしい。
(山本 剛志)
■花の季
栃木県宇都宮市新里町1606-13
028-665-5517
■ぜんや
埼玉県新座市野火止4-9-8
048-477-2232
■渡なべ
東京都新宿区高田馬場2-1-4
03-3209-5615
■亀我楽
多摩市関戸2-39-15.
042-376-8462
■きら星
東京都武蔵野市境南町3-11-13
0422-30-0233
※「超らーめんナビ」iモード版についてのお知らせ
EZweb、J-sky(現Vodafone live!)に続き、iモードでも「超らーめんナビ」がご利用いただけるようになりました。iモードにつきましては、このコーナーで執筆していただいています、大崎さん、武内さん、河田さんをはじめとするラーメン界の達人8名にプロデュースをお願いしました。ぜひお試しください(「超らーめんナビ」編集部)。
「超らーめんナビ」
株式会社エディアが運営する携帯電話向けのラーメン情報サイト。Ezweb(トップメニュー⇒生活情報を調べる⇒グルメ⇒超らーめんナビ)、J-SKY(J-skyメイン⇒グルメ・ショッピング⇒グルメ⇒超らーめんナビ)の公式サイト。位置情報付データで全国のラーメン情報を紹介するほか、掲示板ではラーメン好きの人のためのコミュニケーションで連日盛り上がりを見せている。
■エディアのWebサイトへ
|
|