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ラーメンは文化だ!
プロフィール
テレビに愛されるラーメン

2004/03/30

 ラーメン特集のスペシャル番組はもちろんのこと、「庶民派グルメ」の代表として、回転寿司・丼物・うどん・カレー・焼肉を従えて登場することもあるなど、テレビにラーメンが出ることは多い。料理番組やニュース番組へ登場も頻繁だ。だれでも気軽に食べられ、幅広い味があることがテレビでも好まれるのであろう。

「ラーメン特集」はなぜ多いのか?

 絶えざる人気を背景にして、2002年12月31日、紅白歌合戦の裏番組にラーメン特番が登場した。しかし視聴率では悲惨な結果に終わり、当時は「ラーメンバブルの終えん」「ラーメンブーム終わりの始まり」などと騒がれた。

 ところが現在でも、ラーメンはテレビ番組に根付いている。歌番組や格闘技のような華やかさはないが、日本人の心をとらえるコンテンツであることは確かである。

 ラーメン番組にもいくつかのスタイルが存在する。ここでは6種類に分類して紹介するが、単純に区分けできるものではなく、複数の要素を組み合わせた番組がほとんどである。

「ラーメン特集」のパターン

1.ランキング
 テレビのラーメン特集でいちばん注目を集めるスタイルである。様々なジャンルのラーメンを一気に紹介できるし、カウントダウン形式は途中からチャンネルを合わせた人を釘付けにできるなど、テレビには都合のよいスタイルと言える。

 ここで問題になるのはランキングの決定方法。主観である美味しさを基にランクを付けることは不可能で、しばしば使われるのは、「アンケート」や「ハガキ・メールで投票」である。しかしこれも主観の積み重ねに過ぎないし、取材方法によって結果は異なる。

 また、取材拒否店が紹介されないという点も大きく影響を与える。「取材はすべてお断り」「テレビは影響力が大きすぎるのでお断り」という店以外に、「各自が努力している店をテレビがランキングするのは失礼だ」と思っている店主も少なくない。

2.ラーメン創作勝負
 新作ラーメンを創造している店主も多い。その制作過程を対決物として紹介する番組もある。過去の料理漫画でも描かれてきた料理対決が実物となれば視聴者の関心を集めやすい。店としても、知名度を上げ、番組で創作したメニューを販売すれば客数アップも狙える。

 その一方でテレビ局側には、様々な素材を用意するなど準備作業が膨大であること、ラーメン店側には本当に作りたい物よりも「テレビ映え」するものを求められる、といった課題がある。

3.激戦区
 ラーメン店が集まった街やラーメン集合施設など、複数店のラーメンを紹介するスタイルは、ニュース番組でおなじみのスタイルである。同じ街で一気に取材ができるので、制作スタッフにとっては好都合だが、アクセスの良い場所にある店が集中する傾向がある。

4.名店ヒストリー
 名店の歴史や道のりを紹介するスタイル。再現ドラマなどによる演出も可能だが、それだけの歴史を持つ店は多くないため、常にラーメン番組を見ている視聴者からは、「同じ店ばかりが出てくる」という指摘もある。

5.修業、開店ストーリー
 数多く開店するラーメン店の中から、話題の店が開店するまでを追跡したり、その修行の様子を紹介するもの。ただラーメンを紹介するわけではなくドラマチック。シリーズ化も可能なため、見る側も楽しめる。

 このスタイルでいちばんの人気企画に「ガチンコラーメン道」がある。ここで教官役を務めた「支那そばや」の佐野実氏はさらに知名度を上げ、この番組から誕生した店も話題になっている。

 テレビでは修行中にいろいろなことが起こるが、実際の修行は地味な作業の積み重ねである。普段は温和な人物でも、カメラの前では過剰な演技をしてしまうこともあるようだ。

6.隠れた名店、新店
 テレビでいちばん求められるのが「新しい情報」である。だれも知らない新しいスタイルのラーメンであればなおさら話題にできる。そこでメディアは新しい情報を求めるのだが、新しければ味は二の次と、新店のラーメンを食べずに取材を申し込むスタッフがいたり、隠れた店だからと取材拒否店にカメラを持ち込んで強引に申し込むスタッフもいたりする。

「ラーメン特集」の楽しみ方

 ランキング番組が放映されると、「あの店が1位だけど、本当にいちばんうまいのか?」「3位の店の方が5位の店よりうまいのか?」という質問が私にも寄せられる。

 民放は話題を提供することで視聴率を得、スポンサーを集めることが仕事であり、美味しいラーメンを紹介することは彼ら本来の業務ではない。ランキングを鵜呑みにせず、ラーメン店を紹介してくれるカタログ程度に考えて視聴するよう心がけたい。ラーメンの美味しさは、テレビでも評論家でもなく、食べた人の心の中にあるのだから。

 ところで、日ごろラーメン特集を見ている私にとって、不満に思っていることが一つある。これだけ多くのラーメン特集がありながら、現在、東京の地上波キー局でラーメンをテーマにしたレギュラー番組がないことである(CSや地方局では実例があるが)。制作は大変だと思うが、一度実現してほしいものである。もちろん、その際の協力はやぶさかでない。
(山本 剛志)

※「超らーめんナビ」iモード版についてのお知らせ
 EZweb、J-sky(現Vodafone live!)に続き、iモードでも「超らーめんナビ」がご利用いただけるようになりました。iモードにつきましては、このコーナーで執筆していただいています、大崎さん、武内さん、河田さんをはじめとするラーメン界の達人8名にプロデュースをお願いしました。ぜひお試しください(「超らーめんナビ」編集部)。


「超らーめんナビ」
 株式会社エディアが運営する携帯電話向けのラーメン情報サイト。Ezweb(トップメニュー⇒生活情報を調べる⇒グルメ⇒超らーめんナビ)、J-SKY(J-skyメイン⇒グルメ・ショッピング⇒グルメ⇒超らーめんナビ)の公式サイト。位置情報付データで全国のラーメン情報を紹介するほか、掲示板ではラーメン好きの人のためのコミュニケーションで連日盛り上がりを見せている。
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山本 剛志

 1969年東京生まれ。早稲田大学卒業。新横浜ラーメン博物館で出合った「新福菜館」と「こむらさき」の2杯に、ラーメンの奥深さと幅広さを感じ、以後精力的にラーメンを食べ歩いている。
 2000年1月に、テレビ東京系「テレビチャンピオン:ラーメン王選手権」に優勝。ラーメンサイト「ら〜マニア共和国」主宰。普段は会社員として働いているので、平日は東京や横浜周辺の食べ歩き、週末は全国各地に出向いている。
 ラーメンがブームを超えた日本人のソウルフードになっていることを、肌と舌で感じ取っている昨今、これだけ人を魅了するラーメンとがっぷり取り組もうと思ううちに、4年で3701杯のラーメンを食べていた。たくさん食べることが目的ではないが、食べたくなるラーメンの作り手に感謝する日々が続いている。
バックナンバー
■[2004/4/27]
・「おばあちゃん生き甲斐系の店」

■[2004/4/20]
・ラーメンフリークが作るラーメン店

■[2004/4/13]
・「期間限定メニューの効果」

■[2004/4/6]
・鶏ガラスープの時代は来るか

■[2004/3/30]
・テレビに愛されるラーメン

■[2004/3/23]
・いま栃木のラーメンが面白い!

■[2004/3/16]
・ラーメン店のブランド戦略

■[2004/3/9]
・「古い店をもっと愛して」

■[2004/3/2]
・ラーメン店 修業すべきか?独学か?

■[2004/2/24]
・「ご当地ラーメンと町おこしラーメン」

■[2004/2/17]
・二郎インスパイア系の出現

■[2004/2/10]
・「最強のラーメンファミリー〜丸長のれん会」

■[2004/2/3]
・2大国民食の狭間に:カレーラーメン

■[2004/1/27]
・ハワイ ラーメン事情

■[2004/1/20]
・カップ麺プロデュース体験記

■[2004/1/13]
・「ラーメン名店に名サイドメニューあり」

■[2004/1/6]
・2003年ラーメン界の動向

■[2003/12/22]
・2003年ラーメン業界を振り返って

■[2003/12/16]
・「浪花麺だらけ」の裏事情

■[2003/12/9]
・“曖昧な”国の“曖昧な”ラーメン

■[2003/12/2]
・新旧せめぎあう広島のラーメン

■[2003/11/25]
・全国・手打ちラーメンいろいろ

■[2003/11/18]
・進化する函館ラーメン

■[2003/11/11]
・外国人ラーメン武者修業者歓迎!

■[2003/11/4]
・チャーシューのこだわり

■[2003/10/28]
・日本のラーメン文化の起源

■[2003/10/21]
・佐賀・人情ラーメンとの出会いと、確信した加水率の秘密

■[2003/10/14]
・“サムライ・ラーメンシェフ”奮闘記

■[2003/10/7]
・ラーメン「こだわり」の波、全国へ

■[2003/9/30]
・滞在型ラーメン店の試み

■[2003/9/22]
・シーラカンスのような横浜ラーメン

■[2003/9/16]
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■[2003/9/9]
・激増するラーメン・テーマパーク

■[2003/9/2]
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■[2003/8/26]
・インスタントラーメンに関する一考察

■[2003/8/19]
・アジア各国における日式ラーメンブームの裏側

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■[2003/7/29]
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