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ラーメンは文化だ!
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ラーメン店 修業すべきか?独学か?

2004/03/02

 街を歩いていると、あちらこちらにラーメン店が見受けられる。テレビや雑誌などでも盛んにラーメン特集が組まれる。各地方で県内のラーメン店を紹介した書籍が作られるなど、その勢いはますます加速している。

 ラーメン店の中には開店前から行列ができるところもある。有名になると、1時間待ちなんて店も存在する。そんな状況を見て「自分もラーメン店ができたら」と考える人もいるだろう。だが実際に店を始めようと思っても、「修業が大変なんじゃないかな?」としり込みするかもしれない。

 確かに修業→独立という昔ながらの道もある。その一方で、独学で店を出す人たちも多い。「修業すべきか? 独学か?」。今回はそれらについて分類し、考察してみたい。

1 修業
 ラーメンに限らず、さまざまな料理において修業→独立という流れは定番だ。期間はまちまちで数カ月から数年。手取り足取り教えてくれるところから、一切教示してくれないところ、いわゆる「師匠の味を盗め」タイプまでいろいろ。これを形態別に細分化してみた。

『麺屋武蔵 武骨』
(1)ラーメン店で修業→ノレン分け
 もっともオーソドックスなパターン。まずに、本店などで修業をして支店を任される。博多に本店を持つ『一風堂』などがその例。レシピなども会得できるが、本店同様の味が求められる難しさもある。

 また第二に、本店などで修業をして系列店を任される。例えば『麺屋武蔵』で修業をして『麺屋武蔵 武骨』(上野)を任される、など。本店と味は違うが、本店の権威をある程度享受できる利点がある。ちなみにラーメン店に生まれ、店を継ぐのも大きく言えばこのパターン。

(2)ラーメン店で修業→別の味で独立
 ラーメン店で修業したものの、実際に独立後は違う味で勝負をする店主も多い。例えば『弁慶』などで修業をして独立した『めんや もも』など。スープの作り方や麺茹での方法、麺の湯切りのやり方など、一定の技は会得したが、味としては自分好みのを出したい、というパターン。

 師匠の味に近い方向性の人から、全く違うラーメンを作り上げる人まで、さまざま。

(3)中華料理店でラーメン修業
 元来、ラーメンは明治初めの文明開化のころに中国から流入したもの。そのため、中華料理店で働き、ラーメン店を開業しようと思う人も多い。実際にそのパターンも見られる。

 だが現在のラーメンの作り方はカツオ、昆布などを使用した、いわば和食の延長線上のもののほうが圧倒的。そのため、中華料理を経験すると、食材の使用方法のギャップに悩む人も少なくない。また中華料理とラーメンでは仕上がったときの麺の硬さが全く違う。中華は柔らかいがラーメンは硬めが主流。

(4)ラーメン学校卒業
 ラーメンを教えてくれる学校も存在する。例えば、私も講義を受け持つ、千葉県松戸市の「らーめん寺子屋」。3カ月コースでさまざまなラーメンの作り方や食材調達方法、経営理念に至るまでを学習できる。

 商店街空き店舗対策事業として千葉県および松戸市の公的助成を受け、五香さくら通り商店会が2002年より実施・運営。実際に卒業生の中からはラーメン店を開業した生徒が10数名出ている。

2 独学
 そんな「修業」というラーメン業界の王道を行く人たちに対して、独学で店を出す人が急増している。昨今のラーメンブームの特徴の一つとも言え、しかも独学にもかかわらず行列が絶えない人気店も多い。いや、むしろ昨今のラーメンガイドブックに載れるような有名店の中には独学の人が多いともいえる。

『商人』
(1)他の料理業界で修業
 料理を作るという点では同じ立ち位置のせいか、他の料理業界で修業を積み、ラーメン業界へとコマを進める人たちも見られる。特に多いのは和食出身。だしの取り方がラーメンに生かせるなど、相互性も高い。

 例えば東京都江戸川区の『ちばき屋』、岡山県岡山市の『商人』。その他、フレンチ出身の『ちゃぶ屋』(護国寺)、パティシエ出身の『麺屋 空海』(参宮橋)など枚挙にいとまがない。

(2)他の職種から転進
 巷(ちまた)の不景気を反映してか、会社を辞めてラーメン店主を目指す人も多い。東京都足立区の『華悟空』の店主は中国の工場を任されていた。トラックの運転手出身もよく聞く。宮崎の『風来軒』、岡山の『鳳夢蘭』など。

 主婦が家庭料理の延長線として始めるパターンも珍しくない。東京都品川区の『多賀野』、町田市の『雷文』などがその例だ。

(3)学生→ラーメン店主
 学校を卒業したり、途中で辞めてラーメン店主になる。そんな人たちも存在する。しかも彼らの中には、まだ20代なのにカリスマ店主とまで呼ばれる人も。今や大行列の人気店、神奈川の『中村屋』の中村栄利氏が好例。また、数々のラーメン店をプロデュースする『渡なべ』の渡辺樹庵氏もそうだ。

 独学で店を出し、成功を収めている理由はなんなのか? その一つはラーメンの特異性だろう。ラーメンはもはや創作料理とまで言われる。見た目も味も、極論すれば「何でもあり」だ。麺の湯切りすらパフォーマンス。

 修業をするとかえって修業先の技が足かせになるのか? だが、独学ならば自由な発想で料理ができる。もっとも修業するにせよ、独学にせよ、売れている店のほとんどは店主からオーラを感じる。美味なるラーメンも大切だが、店主の魅力も多分に味に影響を与えるようだ。
(はんつ遠藤)

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=読者からのコメント=

■食べる側としては、いつ行ってもおいしいものを食べさせてくれればなんでもよいのですが、それが結構難しかったりします。


はんつ遠藤

はんつ遠藤 フードジャーナリスト。フードテーマパーク「大阪ヌードルシティ〜浪花麺だらけ〜」名誉館長。12月5日オープンの「明石ラーメン波止場」企画監修。「週刊大衆」にて「極うま麺」カラー2ページ毎週連載中。i-mode「超らーめんナビ」プロデュースメンバー。12月18日オープンのラーメン店「ラーメンバトルコロシアム」(小川町)、年末にはカップラーメン「ぶっちぬき」(明星食品)をプロデュースするなど、ラーメン文化の活性化に大いに貢献している。
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