カレーラーメンという食べ物がある。といっても、多くの人は、ラーメン店のメニューかどうか疑うかも知れない。カレーもラーメンも日本人が大好きな国民食とも言える食べ物である。しかし、それを結びつけたカレーラーメンとなると、ほとんど認知されていないのではないか。
おそらく、一番有名なカレーラーメンは、カップヌードルのカレー味であろう。ラーメン店でカレーラーメンを食べたことのある人は、少ないと思う。
ラーメン店でカレーもメニューに載せていて、なかなか人気がある店も少なくない。たとえば、蓮沼の「インディアン」は、塩味の支那そばとカレーをセットで食べさせる。あっさりしたラーメンと対照的なスパイシーなカレーが見事に調和している。
川越街道の「龍神」という店は、ラーメンもさることながら、本格的なタイ風カレーが美味しく、それを目当てで来る客もいる。他にもサイドメニューのカレー丼がびっくりするくらい美味しくて、それを食べに店を再訪するような場合もある。カレーを作るときにもラーメンのスープを使うので、カレー店とは一味違うコクのあるカレーができるという話も聞いたことがある。
しかし、カレーラーメンとなると、まだまだ出している店は多くない。少なくともメインメニューに掲げている店は、非常に少ない。「味の大王」という北海道は苫小牧の店が古くからカレーラーメンをメニューに出しているそうだ。今から30年以上前のことらしい。ただ、料理としてのカレーラーメンは、市民権を得ているだろうか。正直言って、まだまだではないだろうか。
一方で、カレーうどんという食べ物は、すでに広がっていてどこでも食べることができる。多くのうどん屋のメニューにもあるし、名古屋では、それを看板にしている店が多く、最近ではフランチャイズ展開をしている店もあるくらいだ。
東京でも上野の「中川屋」のようにカレーのガイドブックにも掲載されているカレーうどんの店がある。讃岐うどんの本場の香川でも、「五右衛門」のようにカレーうどんで有名な店はある。カレーの強い味とうどんは、比較的、合わせやすいのだろう。
一方、唐辛子の強い、担担麺のようなメニューは、うどんにはあまり無い。チゲ鍋などで、最後にうどんを入れて食べることはあるが、料理としては決して多くはないと思う。しかし、唐辛子にうどんが合わないかというと、そうでも無いだろう。
ラーメンの麺は、ふつう強力粉を使うので、うどんとは食感が違う。どちらかというと、粘性のあるソースタイプのカレーを嫌うのだろうか。いや、中華系のメニューでは、とろみのあるスープの麺も多い。考えれば考えるほど、なぜ、カレーラーメンが多くないのかが、わからなくなってくるのだ。
またタイ、マレーシア、ベトナムなどでは、カレーと麺という組み合わせの料理は、ごくごく普通に存在する。どちらかというとサラッとしたカレーと麺を組み合わせることが多いが、とろみのあるカレーを使うこともある。米をベースにしたビーフンなどは、カレー味との相性がよいのかも知れない。
となると、麺に一工夫があれば、カレーラーメンは成立するのだろうか? ビーフンとうどんにカレーが馴染むのに、中間の太さのラーメンにカレーがフィットしないことはないと思うが。
カレーラーメンということで、ラーメン好きの人たちが思い出すのは、新横浜カレー博物館に期間限定で出店した「あまからや」だろう。カレー店の店主が創作したスパイスの利いたラーメンを出した。基本的には醤油味の風味をスパイスで高めるタイプのラーメンで、カレーとラーメンの融合ということでは一歩を踏み出した感があった。
最近では(横浜市青葉区に出店している)カレースパイスと味噌味と融合されたラーメンも出している。しかし、カレーうどんのように、カレーを全面に打ち出したカレーラーメンが、まだまだ増えてもいいのではと思う。
普通の食堂で、ラーメンもカレーも人気メニューという店もある。ところが、カレーラーメンとなると、出している店は極端に少ない。
巣鴨に「大沢食堂」という店があった。「あった」と過去形で書くのは、道路拡張のため、白山に移転することになったからである。もともとは、市場に隣接する、夜中通しで営業することで知られていた便利な食堂なのだが、この店の名物が「カレーラーメン」である。
実は、ラーメンの上にカレーのルーをのせるだけのシンプルなもの。店主も、メニューのカレーとラーメンを合わせただけなんだよ、と謙遜する。しかし、元キックボクシング日本チャンピオンの不思議な力なのだろうか、料理としてとても完成度が高いメニューなのだ。
そして、ここには、「極辛」という強烈なメニューがある。一口で目から火花が飛び出るような辛さ。そう、この強烈な辛さの前では、ラーメンだろうがライスだろうが、もう関係は無い。
しかし「大沢食堂」のようなケースは例外である。カレーラーメンはメニューに少ないし、偶然見つけて注文しても、がっかりするケースの方が多いのだ。なぜ、カレーラーメンがまだ広がっていないのだろうか。
それはおそらく、カレーとラーメンの強烈な個性をぶつけ合う、せめぎ合うということが、まだまだ行われていない、試行錯誤が足りないのではないだろうか。上品に形を整えただけでは、吸引力のあるメニューにはならないと思う。それでも、インパクトのあるカレーラーメンを出す店も少しずつ現れている。
横浜市青葉区の「大文字」という意欲的な店は、もともとラーメンの他にカレーライスも出している。店主の好物ということなのだが、なかなか旨い。ところが、カレーラーメンというメニューを試してみると、ラーメンの上にカレールーがのっているが、良いところを打ち消しあっているようで、インパクトが半減しているのだ。
ラーメン、カレーそれぞれが良くても、それを合わせるのは、決して簡単ではない。2年前「大文字」は、カレーつけ麺という新しいメニューを出してきた。これは、麺に合うように工夫されたカレーのつけ汁。たちまちのうちに、店の人気メニューになった。僕は、もう一工夫して、是非とも、新しいカレーラーメンを完成してほしいと、密かに期待している。
定番のメニューでなくても、期間限定でカレーラーメンにチャレンジする店もある。最近驚愕したのは、浅草の「つしま」の出した一品。もともと最近流行ってきた和風豚骨タイプのラーメンを出す店。そこが出したカレーラーメンが、和風味が豚骨とカレーをうまくつなぎ合わせる役割をして、素晴らしい出来だった。ふつうラーメン店の期間限定メニューは一度しか食べに行かないのだが、このカレーラーメンは2回食べにいった。
あと何年かかるかわからないが、醤油、塩、味噌、豚骨といったラーメンの基本的なラインアップに、カレーが加わる日は来ると私は信じている。私たち日本人が、ラーメンもカレーも大好きなのだから。
(佐々木 晶)
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■・以前寮に住んでいたとき、パスタにレトルトカレーをかけて食べたらげてもの食い扱いされたことがあります。カレーと麺の組み合わせはなにか不思議なものがあるのでしょうか?
・札幌ではスープカレーがはやっていますが、「辛い系」のラーメンのスープとそう変わらない感じのものが少なくありません。カレーの定義にもよりますが、「辛くて」「具のたくさん入った」ラーメンはすでにあるので、あえて「カレー」を名乗る必用が無いだけかもしれません。
(snark:39)
■スープカレーは二日酔いに一番良いと思います。ただ、米だからよいのであって、ラーメンだと厳しそうだなあ、、、。
(田邊@BizTech:42)
■新潟県の三条市には、昔から出す店がたくさんあります!
“カレー中華”という名前で、ほとんどの食堂、ラーメン店に、当たり前のようにメニューにあります。新潟県に多い、煮干しの香ばしい風味の効いたスープに、カレーが絶妙にマッチしておいしいですよ。最近は隣りの燕市の背脂・煮干し・極太麺のラーメンが御当地ラーメンとして有名になりつつありますが、三条市にもこういった独自のラーメンがあることは、県外のラーメンフリークでも意外と知られていない事実なのです。
(NORI)
■東武伊勢崎線の西新井の下りホームに西新井ラーメンという店があり、そこは20年ぐらい前からカレーラーメンがあったと思います。
寒い冬には身体が温まって大変美味しかった記憶があります。今もあるかは確認していませんが。
(よしじゅん:36:SE)