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ラーメンは文化だ!
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2003年ラーメン界の動向

2004/01/06

 年初の取材の際に必ず聞かれる質問が「今年はどんなラーメンが流行りますか?」である。予言者でもないし、マーケッターでもないので、そんな予測はなかなかできるものではない。毎年、新店や話題の店、新メニューや限定メニューを中心に800杯を超えるラーメンを食べてきたなかで、昨年の動向を考えてみたいと思う。

 2003年のキーワードは「新魚介系」「セカンドブランド」「ダイニング」「食べ手」「複合施設」の5つ。

 まずは「新魚介系」。ラーメンに魚介を使うのは、今に始まったことではない。むしろ、ラーメンの歴史に魚は欠かせない存在である。なのに何故、昨年のキーワードに「魚介系」をあげるか?

 それは「魚介系」の存在を強く感じさせるお店が増えたからである。しかも、これまでにはあまり使われてない素材や新しい手法でのアプローチが増えたのだ。2003年の新店としては「めん徳二代目つじ田」(豚骨鶏ガラ+魚介)、「田ぶし」(豚骨+魚介香油)、「はっち」(豚骨+鰹油)、「鮎ラーメン」(鶏ガラ+鮎)、「生粋」(鶏+さんま)、「大大」(豚骨+帆立)、「いなせなや」(豚骨+魚介)などがあげられる。

 いずれも衝撃的で印象に残る味。ある意味、好みの分かれる味かもしれないが、他にない味であるため、わざわざ足を運んででも食べたくなる。

セカンドブランドで「真っ黒いスミ油を使った黒武骨」
 2番目のキーワードは「セカンドブランド」。これまでラーメン界においては、店が流行った場合、同じ店名で同じ味を出すことが多かった。せっかく苦労して作った味でヒットしたのだから、その味で2軒目を出すことが常套手段であった。そして成功への近道でもあった。

 それなのに2003年は、同じ店名ではなく、しかも違う味で、まったく内容を変えた店を出すのが多かったのだ。「五行」(博多一風堂)、「つしま」(田中商店)「CHABUYAJAPANSIORAHMENBRANCH」(ちゃぶ屋)、「AFURI」(ZUND-BAR)、「大大」(せたが屋)、「麺屋武蔵武骨」(麺屋武蔵)、「天照」(ラーメン二郎堀切店)など。(カッコ内は元々の店名)チャレンジ精神旺盛な店主といえる。

 3番目のキーワードは「ダイニング」。ラーメンはどちらかといえば『早い安い旨い』という食べ物である。所要時間が短い食べ物の代表的業態であろう。しかし、ラーメンを食べるTPOとして「飲んだ後にラーメン」というニーズが間違いなく存在する。このニーズを1軒で満たすことができれば、経営側も食べる側も満足できるはず。

 そう思ったからなのかどうかはわからないが「ラーメンダイニング」をコンセプトとしたお店が増えた。「麓郷」(むつみ屋の新業態)、「五行」(博多一風堂の新業態)、「麺や又べえ」(支那そば亭の新業態)、「框堂」(居酒屋などを経営する企業の新業態)、「じゃんけん」(ふらんす亭の新業態)などがそうである。ファーストフード的なラーメンを扱う店なのにも関わらず、スローフード的な「ゆっくりしていってください」というコンセプトなのである。個人的にはこういう店が流行って定着して欲しい。

 4番目のキーワードは「食べ手」。「作り手」「食べ手」と分けること自体変な話だが、いわゆる「ラーメン好き」である「食べ手」がラーメン店に関わりを持ってきたということ。

 はんつ遠藤氏がプロデュースした「義薫」、立石氏がプロデュースした「極麺王」、石神氏がプロデュースした「潤」(東武百貨店の「諸国ラーメン探訪区」第二弾)など。12月に神田小川町に開店した「ラーメンバトルコロシアム」は、前記はんつ遠藤氏と立石氏がそれぞれプロデュースしたラーメンを同じ店で競わせ、3ヶ月後に売上の悪い方をラーメン王の小林氏プロデュースのラーメンと入れ替えるという。単独店と複合店の中間のような位置づけの新しいコンセプトだ。

 こうした「食べ手」の元祖は、昨年開店した「渡なべ」の店主・渡辺樹庵氏とも言える。元々渡辺氏はラーメン好きで全国のラーメンを食べ歩きしていた。自分の店を持ったので「作り手」側に回ってしまったが、「渡なべ」開店前は我々と同じような存在で何軒かプロデュースしているのである。

 またラーメンコンプレックス(ラーメン複合施設)の監修においては、私が「ラーメン劇場」や「ラーメン国技場」、はんつ遠藤氏が「麺だらけ」や「明石ラーメン波止場」などを担当。年末にはカップ麺も発売される。はんつ遠藤氏、現ラーメン王の小林氏、元ラーメン王の山本氏、3人の共作である。いよいよ食べ手がカップ麺にも進出したのである。

複合施設で「1ヶ月連続で1000杯売った店もあるラーメン国技場
 最後に「ラーメン複合施設」(ラーメンコンプレックスとも呼ばれる)。昨年、オープンしたものをあげてみよう。「ラーメン国技場」(宮城)、「拉麺浪漫館」(栃木)、「ワンズモールラーメン劇場」(千葉)、「ラーメンアカデミー」(埼玉)、「ヌードルカフェ麺喰王国」(東京)、「ラーメン哲人館」(愛知)、「京都拉麺小路」(京都)、「道頓堀ラーメン大食堂」(大阪)、「大阪ヌードルシティ〜浪花麺だらけ〜」(大阪)、「明石ラーメン波止場」(兵庫)、「らーめん横丁七福人」(広島)、「ラーメン城下町」(熊本)、とまあこんなにたくさんある。

 元祖は創業10年になる「新横浜ラーメン博物館」。「ラ博」の成功を参考に増えていったと見られる。しかし、これらの施設は玉石混淆というか、コンセプトがしっかりしたところと、単にラーメン店を集めたとしか思えないものもあり、その差は数年後に明確に出てくることであろう。

 こうしてわずか1年の間にいろんな動きがあったラーメン界。今年はもっともっと面白い、そして楽しい、そして美味しい1年になって欲しいと思う。
(大崎 裕史)

※「超らーめんナビ」iモード版についてのお知らせ
 EZweb、J-sky(現Vodafone live!)に続き、9月16日からiモードでも「超らーめんナビ」がご利用いただけるようになりました。iモードにつきましては、このコーナーで執筆していただいています、大崎さん、武内さん、河田さんをはじめとするラーメン界の達人8名にプロデュースをお願いしました。ぜひお試しください(「超らーめんナビ」編集部)。


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 株式会社エディアが運営する携帯電話向けのラーメン情報サイト。Ezweb(トップメニュー⇒生活情報を調べる⇒グルメ⇒超らーめんナビ)、J-SKY(J-skyメイン⇒グルメ・ショッピング⇒グルメ⇒超らーめんナビ)の公式サイト。位置情報付データで全国のラーメン情報を紹介するほか、掲示板ではラーメン好きの人のためのコミュニケーションで連日盛り上がりを見せている。
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大崎 裕史

1959年会津に生まれ。現在、広告代理店(株)飛竜企画に勤務。2003年11月現在、全国約5400軒10600杯のラーメンを食べ尽くしたという自称「日本一ラーメンを食べた男」。日本一のアクセス数を誇るラーメンサイト「東京のラーメン屋さん」「ラーメンバンク」を立ち上げ、「とらさん」の愛称でラーメン界の第一人者の一人として知られるようになる。オールアバウトジャパンのラーメンガイドを担当、出版分野でも「全国おいしいご当地ラーメン(竹書房)」のお店選定を担当、「東京のラーメン屋さんドットコム(JTB出版)」を監修、「無敵のラーメン論(講談社現代新書)」を執筆。テレビ番組ではNHK以外全キー局に100回以上出演。ラジオはTBS「サタデーウイズ」で準レギュラー。講談社の「東京一週間」では約5年に渡ってラーメンの連載を担当。「ラーメンビデオ」の企画監修担当し、進行に協力。他に多数の雑誌・新聞のコラムを執筆するなど幅広く活躍。
バックナンバー
■[2004/4/27]
・「おばあちゃん生き甲斐系の店」

■[2004/4/20]
・ラーメンフリークが作るラーメン店

■[2004/4/13]
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■[2004/4/6]
・鶏ガラスープの時代は来るか

■[2004/3/30]
・テレビに愛されるラーメン

■[2004/3/23]
・いま栃木のラーメンが面白い!

■[2004/3/16]
・ラーメン店のブランド戦略

■[2004/3/9]
・「古い店をもっと愛して」

■[2004/3/2]
・ラーメン店 修業すべきか?独学か?

■[2004/2/24]
・「ご当地ラーメンと町おこしラーメン」

■[2004/2/17]
・二郎インスパイア系の出現

■[2004/2/10]
・「最強のラーメンファミリー〜丸長のれん会」

■[2004/2/3]
・2大国民食の狭間に:カレーラーメン

■[2004/1/27]
・ハワイ ラーメン事情

■[2004/1/20]
・カップ麺プロデュース体験記

■[2004/1/13]
・「ラーメン名店に名サイドメニューあり」

■[2004/1/6]
・2003年ラーメン界の動向

■[2003/12/22]
・2003年ラーメン業界を振り返って

■[2003/12/16]
・「浪花麺だらけ」の裏事情

■[2003/12/9]
・“曖昧な”国の“曖昧な”ラーメン

■[2003/12/2]
・新旧せめぎあう広島のラーメン

■[2003/11/25]
・全国・手打ちラーメンいろいろ

■[2003/11/18]
・進化する函館ラーメン

■[2003/11/11]
・外国人ラーメン武者修業者歓迎!

■[2003/11/4]
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■[2003/10/28]
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■[2003/10/21]
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■[2003/10/14]
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■[2003/9/22]
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