2003年10月7日、大阪球場の跡地「なんばパークス」の7階に「大阪ヌードルシティ〜浪花麺だらけ〜」(以下、浪花麺だらけ、と略)がオープンした。
浪花麺だらけは、ラーメン、うどん、焼きそばなど、ご当地麺の有名店を10店舗集めたフードテーマパークで、「新横濱カレーミュージアム」や博多の「ラーメンスタジアム」、「池袋餃子スタジアム」など数々のフードテーマパークを成功させた、ゲーム会社のナムコと南海電鉄との共同運営だ。
「浪花麺だらけ」は施設面積が1270平方メートル(約384坪)で、総工費は約4億円。この数字は、通常の飲食店集合体のなかでも高いほうだ。それには理由がある。それはこの施設がフードテーマパークだからである。
単なるレストラン街ならば低価格で実現可能だ。だが現在では、その系統では売上が伸びない。館全体がいわば「テーマパーク」化し、空間にも技法をこらし、BGMもテーマに沿って作成されたオリジナル曲を流す。ラーメン店のレベルが高い事は必要条件に過ぎず、施設全体の楽しさという十分条件も備えていなければ、もはや生き残れない時代に突入している。
ナムコから私のところに企画監修および名誉館長のオファーが来たのは、オープンの1年以上前のこと。「全国のご当地麺を集めたフードテーマパークを作りたいので協力してほしい」という内容だった。
そこで、まず最初に「推薦できる全国ご当地麺料理店の評価表」を提出することになった。ラーメン店が約300店舗、うどん店その他で約300店舗の合計約600店舗。内容は住所、電話、営業時間、定休日、お薦めメニューなどの基礎データおよびコメント、ならびにS、A、B、Cでランク分けされた評価。評価項目は、味、話題性、人気度、総合評価の4つである。
全国という広範囲、そして膨大な店舗数の中から、上位約600軒を選出する作業である。再確認の意味もこめて、北は北海道から南は沖縄までくまなく回り、完成まで数カ月を要した。
そして次に、その中から実際に出店する店舗を決定しなくてはならない。どんなに高ランクでも諸般の事情でテーマパークに出店できないところは多い。ナムコのスタッフである「チームナンジャ」や私が交渉に行っても断られることも多かった。
出店拒否の理由はさまざまだ。個人経営なので人手が足りない、地元では行列ができるが大阪で売れる自信がない、もともと興味がない、など。
また、施設の性格上、さまざまなご当地麺の店舗を誘致しなくてはならない、という制約もあった。ラーメン、うどんは必ず入れるとして、他はどうするのか。週に何度も会議が繰り返された。
当初、ナムコは、出店するご当地麺の案を持っていた。しかしそれは、ラーメン、うどん、そば程度しか集めてなかった。その路線では「麺だらけ」(もちろん当時はまだ名称は未決定だった)の「だらけ」にならない。そこで企画監修の立場から「瓦そば」「ローメン」「新潟イタリアン」は第一弾では外せない旨を提示させていただいた。
「浪花麺だらけ」には、ラーメンでは札幌の「山桜桃」、横浜の「くじら軒」、博多の「しばらく」、うどんでは稲庭系の「稲庭養助」、名古屋系の「でら打ち」、讃岐系の「大阪麺通団」、焼きそばで富士宮の「ゆぐち」、瓦そばで山口の「たかせ」、新潟イタリアンで新潟の「みかづき」、ローメンで長野の「シャトレ」といったように、元祖であったり老舗であったり、行列ができる有名店であったり、と全てが最高レベルの店舗に来ていただけた。
その結果、オープン日ですら約1万3000人、多い日には約2万3000人もの人が訪れる一大フードテーマパークとなっている。もっとも、味のバリエーションの豊富さ、空間やBGMの楽しさも、功を奏していることだろう。
やはり人気はラーメンに
では、どの料理が一番人気かというと、やはりラーメンだ。「山桜桃」は3時間(!)待ちということもある。他のラーメン店も連日大行列である。ただ、ラーメン店は客の回転率が悪いので、行列が長くなるという側面もある。思いのほか空いている、あっと驚くような店舗がその日の売上の一位を獲得することもあり、一概に行列だけでは判断できない。
「浪花麺だらけ」はオープンしてまだ数カ月。リピーターをどう獲得するかが成功の鍵となる。本当の勝負はこれからだ。今後も定期的に店舗を入れ替えたり、さまざまな限定イベントを繰り返す予定である。
さらに、それぞれの店舗の味を確実に保つため、日々のチェックも欠かさず行う。終わることのないリニューアル、それがこの類のテーマパークがの宿命なのかもしれない。
(はんつ遠藤)
■大阪ヌードルシティ〜浪花麺だらけ〜
11時〜23時
大阪市浪速区難波中2-10-70「なんばパークス」7F
06-6646-0765
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