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試作品では20歯で検討、その後、何度も実験や検証を重ねる

こう話すと、アイデアが思いついた後は、簡単に開発が進んだように聞こえますが、もちろんそんなことはありません。まず先ほど話した歯の数。これを40歯に決めたのも、何度も実験や検証を重ねた結果です。例えば、試作品の歯の数は20歯でした。20歯で芯を1周させようとすると、1回あたり18度動かさなければならない。「クルトガ」は40歯で9度だから、試作品は単純に倍の距離を動かしていたことになります。この動力は芯が上下する力なので、単純に上下する幅も倍。「クルトガ」は1回あたり0.3mm上下しているので、試作品の20歯タイプは0.6mm動いていたことになります。そもそも、書いている途中で芯が上下するのは決していいことではない。商品化するためには、ユーザーにそこを気にさせないレベルまで持っていく必要があります。それが0.3mmでした。試作品と「クルトガ」の差はたった0.3mm。この違いが、書き味に大きく影響しました。

── まさに着眼点の勝利という表現がぴったりのクルトガエンジン。しかし、機構自体を実現するのは簡単なことではなかった。0.1mm単位の微妙な調整が書き味に大きく影響する。書き手によっても筆圧が変わってしまう。会社は「新しいもの」をつくるためなら時間をかけてもいいという。無期限であるがゆえに商品の品質に妥協はできない。クリアしなければ課題は山ほどあった。──

林田 孝司(はやしだ・こうじ)

主なフィールドは、「車、住宅、政治経済、デジタルグッズ」と執筆分野を問わない雑食系ライター。有名無名を問わず、様々なジャンルで活躍する人たちの取材をライフワークとしている。

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