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ミッションは「これまでにない新しいシャープペンをつくれ」

ただ当初の調査では、シャープペンの芯先がつぶれることを不満に思っている人は多くありませんでした。太い芯で画数の多い漢字を書くと書きづらいはずなんですけど。シャープペンの嫌なところはなんですかと聞いても、なかなか出てこなかった。でも、字がつぶれるのは嫌じゃないかと聞くと、確かに嫌だと答える。顕在化している不満点というよりは、潜在的に抱えている不満点だったんです。シャープペンって子どもの時からずっと使っているでしょう。どこか、シャープペンはこんなものだといった固定観念があったのでしょうね。

実際、シャープペンの市場というのは成熟市場です。基本的な構造は僕らが子どもの頃からほとんど変わっていない。強いて言えば、他社が振ると芯が出る仕組みのものを開発しましたが、それももう20年近く昔でしょう。それ以後は持ち手に低反発ジェルを使って持ちやすくするなど、ブラッシアップに近い部分の開発ばかりなんです。ですから、市場規模はほぼ横ばい。国内ではシャープペンの売り上げ本数を伸ばすのは難しいと言われていました。だからこそ会社も「これまでにない新しいシャープペンをつくれ」といったミッションを出してきたのだと思います。

芯の偏減りに問題を見いだせたところが大きかった

最初の仕事は、シャープペンのどこを変えれば本質的な、次世代につながるような開発になるのかを考えること。ユーザーの不満点や自分が使いづらいなと思う部分、シャープペンの弱点などから新たな切り口を探しました。もう四六時中、シャープペンのことを考えていましたよ。ただ、とにかく「新しいもの」というミッションで、いつまでに発売しろと期日を決められているわけではありませんでした。

「中途半端なものではなく、新しい価値を市場に提供することが一番大事」という会社のスタンスには助けられました。その分、ほかの人たちの仕事で出た利益で開発をしているという立場はプレッシャーでしたけど。自分たちの開発が商品にならなければ、会社に還元できないと考えると追い込まれる気持ちになりました。

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