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一度、失敗した商品を市場に出すためには、さらに強固なエビデンス(証拠)が欲しい。

何人もの著名な眼科医の先生方に相談しました。たとえば坪田一男先生(慶應義塾大学医学部眼科学教室教授)は、「蒸しタオルを目に当てると、気持ちがいい。それは目にいいことがきっとあるからに決まってる」と快く、研究を引き受けて下さいました。

ただ、皆さんに、「このアイマスクの研究に、そんなにお金をかけるの?」と驚かれました。意外に思われたのでしょう。こんなカイロのような商品に、なぜ、と。

花王では、たとえ商品のパッケージに効能を謳えなくても、エビデンスの乏しい商品は市場に出しません。私は、何としても、このホットアイマスクを商品化したい。そのために、しっかりした商品化の根拠が欲しい。

お話するうちに、最初は意外に思われた先生方にも、私のアイマスクに賭ける熱意を理解いただけたようでした。

その結果、中高年のいわゆる「夕方老眼」──夕方になると眼精疲労で目のピントが合いにくくなる症状や、1日6時間パソコン作業をする作業者の時間経過によるピント調節力の低下が、蒸気で目を温めると改善することが、鶴見大学や東京慈恵会医科大学の眼科学教室との協力で、明らかになりました。ドライアイの改善効果もあると分かりました。

モニターへのアンケートの結果では、多くの人が心地よく感じる温度は大体40度でした。また、低温やけどの恐れを極力避け、かつ快適な持続時間は約10分だと設定しました。

持続時間や温度の設定は、鉄粉や含有物の量でも変わりますが、もう一つ、重要な要素があります。アイマスクの通気性です。

「ホットアイマスク」では、紙おむつ「メリーズ」で培った防水通気性シートの技術を応用しました。紙おむつのシートは、赤ちゃんのおしっこは漏らさず、空気は通すことができます。

「ホットアイマスク」でも、このシートを使って、酸素の量をコントロールしました。

発熱体の開発は加工・プロセス研の努力で、そして商品化にあたっては社内各部署の技術協力で、「蒸気でホットアイマスク」は完成しました。

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